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名古屋から冬の下呂温泉へ行こう '23北陸旅行#1

はじめに

 僕が北陸に行ったのは、2023年の2月。今回から山梨旅行編と同時並行で北陸旅行記を書いていこうと思う。僕の記事をすべて読んでくださる総勢0人の読者の方々には、混乱させてしまうかもしれないので申し訳ないが、当時の記憶が薄れてしまう前に書きたいので許していただきたい。それに、同時並行で2作品というのは少しかっこいいと思う。赤坂アカ先生みたいで。

4:30 名古屋着

 もはや慣れすぎて快眠さえできるようになってきた。しかし所詮はリクライニングシート、身体は凝るものである。名古屋駅の南、笹島あたりに乱暴に停まった夜行バスは、まだ眠りこけっている大都会・名古屋の静かな街中に自らの体の中に圧縮されていた乗客を吐き出す。

まだ深夜の名古屋

 車の姿はない。名古屋らしいアホ広い幅の道路の歩道を進む。街頭の明かりに加えまばらなビルの光、点滅する信号機が布団に潜った人間の代わりに街を守っている。10分ほど歩いて名古屋駅に着く。日本三大都市の名は伊達じゃなく、名駅近辺にはいくつもの高層ビルが冬の朝5時の漆黒の空へ伸びている。
 始発電車はもうすぐだ。駅はもう空いている。しかし、こんな早くから下呂温泉に行ってものぼせるだけなので、午後まで名古屋で暇を潰す。
 まずは名古屋のもう一つの繁華街、栄に向かう。大阪でいう難波と梅田のような関係性、名駅が劉邦なら栄は項羽だ。地下鉄で二駅ほどだが、クソ混雑路線東山線にいい思い出が皆無な上、ホームまで行くのも面倒なので、歩いて錦通を東へ進む。

 途中のカフェで名古屋といえばのモーニングコーヒーをいただいた。僕が行ったところはかなり早い時間にオープンするのだが、それでも店先で30分ほど待った。夜行バスくんは人生を急ぎすぎである。めちゃくちゃ運の悪いことに、カフェのオープンを待っている間に雨が降ってきた。のでカフェを出た後はカラオケボックスに入って爆睡した。

9:00 名古屋市科学館

 再び外に出たのは朝の9時である。目的地は名古屋市科学館。お目当てはもちろん世界最大のプラネタリウムだ。
 当時僕は異様に宇宙にハマっていたので、天気も相まって是非行こうと思い立った。1時間弱の上映が終わる。下馬評は見ないようにしてたが、想像を大きく超えてきた。圧巻だった。あれは本物の星空だ、保証する。プラネタリウムの球体に乗って小宇宙旅行をしたと言われても信じるレベルの解像度で、僕の視力の限界を超えた数の星が映し出されている。そしてシートが夜行バスの120°ベニヤ板とは比べてはいけないほどふかふかで普通のベッドくらいリクライニングする。それがなにより最高だった。名古屋に来てまで科学館?と思われるかもしれないが、ぜひ行ってみてほしい。唯一無二である

12:30 名古屋飯

 名古屋といえば飯である。名古屋城を筆頭に素晴らしい観光名所ももちろんあるが、なんといっても観光客の大半は飯目当てといっても過言でないだろう。「花より団子」この言葉は名古屋観光の至言である。そんなわけで…

ひつまぶし陛下の、御成〜〜〜り〜〜!!
なんという重厚感。もちろん昼飯に数万円もかけれるほど人間ができているわけではないので2000円弱のひつまぶしを頼んだわけだが、最高のビジュアルである。もしこれが漫画『ワンピース』だったら、見開き1ページを使って大きくドーーン!!!と書いてあるだろう。

それでは、いざ実食!!

美味しいですわ〜!!!
まずは鰻、身はふわふわで夏の正午の入道雲を食べているようですわ〜!皮はぶよぶよとパリパリのちょうどいい塩梅で鰻の個性を出してますわ〜!!
続いてご飯ですわ!タレがかかって今宵の月のように艶めいていますわ〜!「いつの日か輝くだろう あふれる熱い涙〜♫」ですわ〜!!

でもひつまぶしの真骨頂はこれからですわ〜
このうな丼にお出汁と薬味を豪快に入れますわよ〜〜〜!!!それじゃあいただきますわ!!
舌が幸せですわ〜〜〜〜!!!!
タレのかかった最高のご飯と優しくとも骨のあるスパダリお出汁の結婚式ですわ〜!!
そしてうなぎはこの夫婦に負けじと主人公のような存在感を出していますわ〜〜!!「さぁがんばろうぜ!負けるなよそうさ オマエの輝きはいつだってオレの宝物〜♫」ですわ〜!!
……違う歌ですわ〜〜〜〜!!!
食レポは以上にしよう。

14:00  下呂温泉へ

 さて、腹も膨れていい頃合いになったのでそろそろ下呂温泉に向かうが、どうやら向こうはめちゃくちゃ寒いらしいので栄のGUで上着を買った。

 さて、地下鉄東山線に乗って名古屋駅へ戻る。乗るのは14:23分発名鉄の快速急行新鵜沼行きだ。JRの特急なんか高くて使えないので、名古屋から下呂温泉までは普通列車で行くわけだが、どうやら名古屋から鵜沼の間は名鉄を使ったほうが早くて安いらしい。JRと違って良心的な値段の座席指定券を買って日本全国を共にしてきた相棒のクソデカリュックを網棚に乗せる。定刻通りに電車は発車した。キツめのS字カーブを通って名鉄犬山線に入る。それから20分もすると犬山城に近づいてくる。11月に犬山城に来た時の写真を添える。

犬山城から

 さて、上の写真にもある雄大な木曽川を鉄橋でガタゴト渡り、終点・新鵜沼駅に着く。ここは愛知県に別れを告げ岐阜県・各務原市の鵜沼。これからJR高山本線に乗り、深い山林の中へ入っていく。RPGで言うならきっとケルト音楽が流れているだろう序盤の街だ。
「そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫、さっきGUで上着を買った。
 空中歩道を通ってJR鵜沼駅へ。子供の頃から、こうした渡り廊下なんかを通ると妙にテンションが上がる。ホームに降りて40分ほど待つと、排気を撒きながら高山の方向幕を掲げた列車がゆっくり入ってくる。15:08発、普通高山行き。列車は定刻通りに山に向かって発車した。
 美濃太田を過ぎるとそれまで沿うように走っていた木曽川は木曽山脈めがけて東に逸れていき、代わりに支川の飛騨川に沿って下呂まで向かうことになる。同時にいよいよ人の住む場所も無くなってきたようで、一本になった線路はトンネルなんかを駆使して川と山肌のギリギリを走るようになる。

高山本線

 写真の通り、雨も降ってきた。下油井駅を過ぎる。ここからは、もう旧飛騨国の領域。日本の屋根を構成する飛騨山脈に抱かれ、高山をはじめとしたいくつかの平野に人々が根を下ろし、雄大な山々と古代より受け継がれた伝統の街並みの中に、約14万人が暮らしている。
 いよいよ雨も激しさを増す中、列車はキーキー音を立てながらうねうねと曲がる線路を巧みに超えてゆく。焼石駅とかいう火傷しそうな駅を発車すると、「次は、下呂です」とアナウンスが入る。今日の宿泊地、下呂温泉に到着だ。

17:00 下呂温泉

下呂駅

下呂温泉。兵庫県の有馬、群馬県の草津と並び「日本三名泉」と名高い。下呂駅から温泉街までは、橋を渡ってすぐである。しかし、山に囲まれたせいか雨風がすごい。折り畳み傘が簡単に持ってかれそうなのでリュックにしまい、ずぶ濡れになりながら宿を目指す。でも大丈夫、最高の風呂が待ってるから!!

下呂温泉 温泉街

 宿に着いたらチェックインして、部屋に荷物を投げたらすぐに温泉に入りに行く。警察のお世話にはなりたくないので写真は載せられないが、広い大浴場には平日でシーズンオフ、そして雨ということもあってほとんど人はいなかった。水質については、成分なんかを見てみてもよくわからないが、とにかく凄いらしいことだけはわかる。実際、肌はスベスベになったしなにより身体の全ての疲れが取れた気がした。
 夕飯は旅館が用意してくれた。なんとバイキングだった。地元の名産品をはじめ色々な料理があり全て美味しかったので腹が痛くなるほど食べたのだが、唯一、一人旅だったので結構寂しかった

 そのあとはもう一度風呂に入った。今度は露天風呂である。そして部屋に戻り、明日も早いこともあり、もう3000文字を超えていることもあり、布団を被った。外はいつのまにか雨も止み、風の音だけがしていた。

 次回は高山・富山に行く予定です。読んでくださりありがとうございました。

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