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逢いたくて・・・山へ

5月31日、その少し前に初めて訪れた隠居岳(かくいだけ、と読みます)へ再び行ってみました。前回は一人だったので、無料キャンプサイトがある駐車場からすぐの展望台までしか行かなかったのですが、時期的にも、山ツツジが見頃かなということもあり、山頂ではなく、ツツジ園を目指しました。

ただ、目当ては、山ツツジではなく、実は、Top画像に載せたエゴノキの花です。5月に咲く、この白い可憐な花が大好きなんです。

初めてこの花を知ったのは、東京都多摩市にある桜ヶ丘公園でした。東京のベッドタウンである住宅街の中にありながら、多摩丘陵をそのまま生かしたその公園の中に一歩足を踏み入れると、まるで別世界に来たようで、人の手があまり入っていない、でも完全に野放しでもなく、豊かな自然が残っていて、貴重な植物も数多く生育している公園です。野鳥観察をされる方も多いところでもあります。時間を見つけては、よく訪れていました。

私が、初めて一眼レフカメラを手にした頃は、まだ、カメラ人口も多くなくて、やっと女性向きの、軽くて、カメラが初めてでも入りやすい、いわゆる入門機、エントリー機と呼ばれる一眼レフカメラが色々と出始めて選べるようになってきた頃でした。

今程、カメラを持って歩いている人も多くなかったので、道端などでカメラを構えるのがどこか恥ずかしい感じがあって、写真を思う存分練習する場所として、花の咲く大きな公園、例えば、昭和記念公園であるとか、桜の時期は、多摩森林科学園だとか、府中の郷土の森や、新宿御苑など、とにかく、写真を撮る為に、人が集まっている場所なら、一人でも全く恥ずかしくなく、いくらでも写真を撮ることに集中出来る、ということもあって、よく通っていました。そして、とにかくたくさんシャッターを切る、と当時憧れだった女性写真家の米美知子さんに直接アドバイスを受けたこともあって、シャッターを切りまくっていました。

そして、そのうち、一度だけ参加した写真教室で、プリント講評があり、その時撮った写真の中で、一番好きな写真を何枚かプリントして持っていき、講評を受けた時に、あなたは、こういう写真が好きなら、なぜ、マクロレンズを使わないのですか?と云われました。マクロレンズが欲しくて仕方なかったんですが、カメラ本体に予算を投入してしまって、買えなかったんですね。なので、クローズアップレンズ、というレンズの前に簡易的につけるフィルターで代用していたんですが、それだとやはりあくまでも代用の写真しか撮れないんです。そして、中古でもいいから、買いなさいと。もう、それから本当にすぐ、中古を探して買いました。そして、そこから花撮影にはまっていったんですね。

多摩丘陵は、都心からあれだけ近い場所でありながら、豊かな自然が本当によく残っている場所で、狭い範囲の中に、たくさんの種類の花たちを見ることが出来て、その時、沢山の花の名前を知りました。初めて出会った花が沢山あります。

このエゴノキの花も、その中のひとつです。実は、聖蹟桜ヶ丘公園よりも、当時住んでいた家から近い、すぐ近所の公園にこのエゴノキがありました。そこもいわゆる多摩丘陵の中にあって、でも、そこで遊ぶ子供たちの姿もほとんど見ることがなくなってしまった、団地の中の廃れた小さな公園でしたが、花の写真を撮りに、季節問わず、よく出かけていました。

今思えば、本当に、貴重なところに住んでいたんだな、と思います。

今は更に、多摩丘陵よりも、自然豊かな場所に越してきたはずなのに、今では、当時目にしていた花は、山に登らないとなかなか見られなかったりします。もちろん、東日本と西日本、自生する花の種類が違うというのもあるでしょう。でも、多摩丘陵は、コンパクトで、そんなに高所でもない場所に、数多くの花がある、といったらいいのかな。狭い範囲の中で、沢山の種類の花を見ることが出来た気がします。高尾山もそうですね。貴重な自然、どうかあのままで、壊さないで大切に残していって欲しいと願います。そして、花写真好きな方は、どうか、それほど高所に登らなくても見られる貴重な花撮影を、その場所を荒らすことなく、楽しんで欲しいなと思います。

そんな多摩丘陵で見かけた大好きな花を、こちらに来て見ることが出来るのは、とっても嬉しいことです。今は、カメラが変わり、花撮りもあまりしなくなったこともあり、マクロレンズもないのですけど、やっぱりこういう写真を撮りたいなら、マクロレンズを使わないとね~と思います(;'∀')でも、フジノンのマクロレンズは中古でも結構お高くてね、なかなか手が出せません。

前置きが長くなりましたが、そんな隠居岳で出会った花の写真たちです。

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足下は、このタツナミソウでいっぱいでした。これも、マクロレンズじゃないとなかなか撮りにくい花で、群生している様がもうそれは見事だったんですが、それは撮れていません。

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ハコネウツギ


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ガクウツギ

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珍しい白いアザミです。

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ツツジ園の休憩所の脇に咲いていました。

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山ツツジは、もう見頃過ぎだったのか。まだ蕾もあったのだけれど、ちょっと終わりかけの様子でした。

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この山肌全体がツツジのオレンジ色に染まることもあるようなのですが・・・。そして、ここは自生の山ツツジということですが、ネットで調べていたときに、昔海軍さん達が植えたものだ、という山の麓に住む方の証言もあったようで・・・

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人の背丈ぐらいの狭いツツジの通路を歩くことが出来ます。

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そして、珍しい花を見つけました。サイハイランというそうです。これは初めて見ました。遠目に見つけたときには、枯れているようにしか見えなかったんですが、花です。絶滅危惧種だそうです。

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そして、目当てのエゴノキですが、このツツジ園までの途中に咲いているというのを知って、探しながら歩いていたのですが、なかなか見つけられなかったんです。

最初に見つけた!のは、落ちた花、でした。足下にたくさんの花。

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ところが、上を見上げても、木が見つかりません。これだけの花が落ちているんだから絶対あるはずなのに・・・とよーく探してみていると、ひょっとしたらあれ、かも・・・という木がありました。

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この写真だとわからないですよね。ちょうど真ん中辺りなんです。拡大してみたらわかるかもしれません。

でも、これじゃ遠すぎてダメ。もっと低い木が絶対あるはず、とツツジ園からの帰り道にやっと、写真を撮れる場所に、見つけました。

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白い小さな花がぶら下がってたくさん咲くんですが、時期的に、ちょっとタイミングを逃していて、だいぶもう散ってしまっていました。でも、逢えて良かった。

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光に透ける葉と白く透ける花が清々しくて、私の中では5月を象徴するようなそんな花です。

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落ちて別の木の葉の上に乗った花。

他にもこの時期だったらカンアオイやギンリョウソウなどにも出会えるようで・・・ギンリョウソウはまだ見たことがない花なので、ぜひ出逢ってみたいです。


以下に、以前撮った多摩丘陵の近所の公園のエゴノキの写真を。

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こんな小さな花でも、マクロレンズだとここまで寄れるんですけどね。

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咲き始めの頃、蕾がまだコロンと真ん丸でぷっくらとしていて可愛い。

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ほぼほぼ満開の花。

このぐらいの時に見ることが出来ると圧巻です。鈴なり(o^―^o)

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