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スキップとローファー その3

「スキップとローファー」の最新刊(9巻)が発売されました。
読むと何かを書きたくなります。ネタバレも含み少しつっこんで独り言です。

9巻では、高校2年生の夏休みが描かれます。
進学校の生徒である美津未は、この時期を逃してしまえば、友人達と大きな思い出づくりも出来ないのでは無いかと思い、自分の地元に友人達を誘います。

この辺りも美津未が人生で何を大切にしているのかが感じ取れたりしますし、受験勉強で忙しくなったり、進学先で離ればなれになってしまうのを見通しているのかなと思えます。

美津未の地元は石川県凧島町(いかじまちょう)。東京からは距離もあり移動には時間もかかります。しかし、友人達は親の金銭的援助と許可を得ることが出来ます。ここには友人達の幸福度が見れます。

生活における幸福の基準というのでしょうか。
現実の世界では、日本社会であろうと金銭的な格差があります。
世界であれば、なおさらです。
多くの人間が生きている世界の中で、高校生の夏休みに男女の友人達と旅行に行ける。この幸福はどれほどの物だろうと考えてもしまいます。(ただ一方的な甘えでではなく、進学校の生徒ゆえの普段の努力や信頼を見せているおかげなのでしょう。努力している人には協力をしたくなる)


彼ら彼女らにも痛みや悩みがあるのは分かります。
ですが、それは生活を脅かす類の困難ではないのです。(一部の人物を除き)
こんなことをこの漫画を読んでいる時に思ってしまうのは、おかしなことなのでしょうか。繊細に描かれているが故に、漫画世界の外の世界とのつながりを考えてしまうのかも知れません。(夕暮れの海辺を友人達と歩いている同じ時に海の向こうのどこかでは争いも起こっている)

美津未の友人ふみちゃんがようやく志摩君たちと対面します。
ですが、以外にあっさりとしています。
ふみちゃんは都会の高校生達にも気おくれすることはありません。
自然が多い地域で生きる、たくましさを感じます。
志摩君たちへの関心よりも美津未の心が東京へ寄ってしまっているのかが、心配のように映ります。
ですが、ふみちゃんにも大人の考えを感じさせます。
離れて行く美津未を、さびしいながらも自然の成り行きと受け止めているようで
「でもそれでいいんやと思う」
と心の中に湧いてくる想いには、「どこか自然にゆだねている」、「仕方のなさの受け止め」、「一緒に過ごせた過去の時間への感謝」も感じさせます。ようは自分自身も生活の中で成長変化しているのでしょう。周りからの評価、称賛があるかないかにもかかわらず。

そこへ行くと志摩君ですが、美津未が本当に少しづつ成長して行くのに対して、心のぼろが出始めます。

周りよりも早く大人の世界を経験した志摩君は、何かを飛ばしてしまった、あるいは抑制してしまったために、欠けている物を見つけなければならないようです。
普段の生活を上手く演じていると本来の自分というのが分からなくなってしまうのかも知れませんね。

好き勝手を書いてしまいました。ファンの方申し訳ございません。

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