見出し画像

ABM

前回の投稿「リスク回避」の中の一番最後に書いた「ユーザーターゲットを考えると,一旦はリッチではなくなるが、なくても影響が少ないことにより決められる機能」のお話をします。

この考え方は、マーケットの一つの手法でABMに近い考え方です。
ABMとは、Account Based Marketingの略で以下のように説明されています。

具体的な企業・団体(アカウント)をターゲットとして設定し、ターゲットアカウントからの売上を最大化するために戦略的にアプローチするマーケティングの考え方または手法である。

https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/abm/
出典:synergy-marketing

これを導き出すためには、まずはそのプロジェクトで何をユーザーに体験して欲しいのかを明確に表す必要があります。
今回の私の関わるプロジェクトでは、「この機能を実装するとある操作をユーザーがする必要がなくなる」です。

次に、その機能の恩恵に与れないユーザー注目します。その機能を使うことができないユーザーというのは必ずいます。そのリストを作成してみましょう。
そこから、その機能を使うことができないユーザーの最も少ないグループに注目します。
その「その機能を使うことができないユーザーの最も少ないグループ」というのはつまり、顧客としてあまり利益を生まないグループです。つまり、コストをかけるべきではないグループになります。
会社である限り、利益を生む必要があります。全員を助けることはできません。期限も限られているし、何を開発しない、または後回しにすべきかという判断は何をするかよりも重要になってきます。
ただし、できる限り多くの人に使ってもらえるように設計することで、ユーザーに使い方を選択させ、開発側の思ってもみない使い方で伸びる機能というのもあります。それは、つまりユーザーエクスペリエンスによってそのアプリを飛躍させることができます。
そのため、そのターゲットとしないユーザーに関しては、「便利ではないけど、使うことはできる」程度の開発にとどめるような戦略を取ると、「使えないから使わない」という顧客を失う方向へ進むのを止めることができます。

この考え方は、「ビジネスで一番、大切なこと」という本にも近いものが出てきます。ここで出てくるのは、競合他社のいないユニークな製品にするというものなのですが、他の製品でできることは自社の製品に取り込む必要がないとまで言っています。
やらないことを決めるという思考をするにはおすすめの本です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?