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[書評]タイムデザインの法則

保江邦夫『神様から愛される人になる タイムデザインの法則』(ビオ・マガジン、2021)

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「魔が差す」隙を与えない時間設計のしかた

物理学者の保江邦夫氏の一般向け書物としては、時間論の集大成のような本。ただし、一般向けなので、数式はいっさい使わないで説明する。数式まで含めた厳密な理解を求める向きは、氏の『神の物理学』をかたわらにおいて読むといい。

一般向きなので、実用に徹しているところも本書の特徴。具体的にどのように時間を設計すればよいか、氏の愛用の手帳をもちいて説明する。この手帳は、氏が講演会でたびたび取出すので、見たことのある人も多いかもしれない。

どこにでも売っているふつうの手帳だ。ただし、1ヶ月の予定が見開きページで一覧できるタイプ (ブロックタイプ) が向く。月ごとの予定が把握しやすいものがよい。評者は、本書が出る前に自分で探して買い求めたが、結果的には近いものが手に入った (買ったのは「能率 ペイジェム 手帳」)。

それで、あと必要なのは、筆記具だが、できれば緑色のペンがあればいい。なければ、何色でもかまわないだろう。要は、特別なことが起きたときにそれを記す特別の色が自分で設定できれば、何色でもかまわない。その色は、ふだん筆記に使うのとは違う色である必要はある。

以上がそろえば、あとは1週間先までのパッケージを設定する。これだけだ。

パッケージはプランとは違う。詳細は本書にゆずるが、軍隊のパッケージに似る。プランの場合は、実現するかどうか分らない計画だが、パッケージは自分で未来を決め打ちする。軍で言えば、負ける戦は戦わないのに似る。

本書全体の議論の前提として、物理学的には時間は存在しないことがある。本書で扱う時間は、パッケージ内の時間だ。

原理としては、アーサー・エディントンの時間論 (の氏の理解) と、保江氏らの素領域理論だ。後者は氏が折にふれて述べてきた内容だが、前者は、知る限りでは、本書が初めて活字にしたもの。

これらの立場から、世に横行するスピリチュアル業界の、いわゆる「タイムライン」議論をばっさり斬り捨てる。その方面に関心があれば一読して損はない。また、仏教で言う輪廻転生の考え方についても、物理学的に正確に修正して提示する。

人生に「魔が差す」瞬間があるとすれば、それを避ける方法はあるのか。それに物理学者の立場で正面から答えたのが本書だ。よりよい人生設計に関心あるすべての人にお薦めしたい。

#書評 #時間 #エディントン #素領域


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