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[書評] アメリカ帝国消滅後の世界
ベンジャミン・フルフォード『アメリカ帝国消滅後の世界』(秀和システム、2024)
![](https://assets.st-note.com/img/1718441557430-TiGmHFecFO.jpg?width=800)
2024年が後世の歴史書に分水嶺と刻まれるか否か
フルフォード氏は世界の地政学的な分析を日々おこない、世界中に読者がいる。その2024年5月時点の最新の情勢分析を収めたのが本書だ。本書の伝える通りだとすると、本当に2024年は〈あの時、人類の未来が変わった〉と後世の歴史教科書に記される年になるかもしれない。
5つの章からなる。
① 米欧の権力者「失脚ドミノ」
② ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争の真実
③ アメリカ帝国はまもなく崩壊する
④ ヨーロッパのアメリカ離れと崩壊するEU
⑤ ハザールマフィア亡き後の多極世界
以上のように、本書は米欧および中東の情勢分析が主である。しかし、巻末のほうに、分量としては少しだが、東アジア情勢、特に日本のことが出てくる(著者は日本在住のため、日本の情勢にも明るい)。
そこには、本書が伝えることが一般社会にも見える段階に入ったと示す目印がいくつか書かれている。そのしるしが主要メディア等でも報じられ誰の目にも明らかになったら、本書でその背景を探ることができるだろう。
日本のしるしの一例は日銀の国有化だ(236-7頁)。本書にはそれ以上の説明はないが、少しだけ補足すると、日銀の大株主は実は外国人である(例:Edmond de Rothschild, Luxembourg [官報、令和3年10月26日、3頁])。
日本がふたたび独立国家に戻るためには必須の過程である。〈日銀を国有化し、政府紙幣を発行すると、税金も国民健康保険も払う必要がなくなる〉(237頁)。現在はそうさせず、〈彼ら[欧米グループ]は日銀を使って株高を演出し、のこのこと入ってきた一般国民のお金をすべて吸い上げる魂胆〉なのである(236頁)。
メディアといえば、海外ニューズに関して、日本のメディアは〈世界から見たら、1年以上は遅れている〉とのことだ(3頁)。しかし、最近、少しだけ変化が見えてきた。例えば、NHKの海外向け放送では本当のことを報道しはじめている。それは考えてみれば当然で、海外にいる人は本当のことを知っているから、嘘を報じるわけにいかない。
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現在までの経過や情勢分析は他のところでも読めるが、これからの展望となるとなかなか有力なものには出会わない。
その点では、本書が挙げる、アメリカ倒産の目に見えるしるしは参考になる。本書によれば、アメリカの〈国家借金はすでに200兆ドル(3京円)を超えている。どう計算しても倒産状態であることは間違いない〉という(139頁)。
しかし、それは表沙汰になっていない。〈表向きのアメリカの金融経済は絶好調の演出を続けている〉からだという(136頁)。〈今、アメリカ株が最高値を更新している〉のを見れば、一般人はそう思う(135頁)。
アメリカで銀行が国有化されれば、誰の目にも、おかしいなと、わかる。
もっとはっきりわかるしるしは、アメリカ倒産をしめすしるしだ。〈アメリカが倒産すれば、ロスチャイルドやロックフェラーなどが管理する国連や世界銀行、IMF、BIS(国際決済銀行)、WHOも軒並み倒産していく。場合によっては、世界の多国籍企業の9割が違う持ち主の手に渡ることになるだろう。〉という(149頁)。
そこまでくれば、もう「しるし」どころではない。〈途方もなく重大なターニング・ポイントに立っている〉ことが全員にわかる(2頁)。
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〈アメリカが支配する世界の枠組みが急激に代わり、BRICSをはじめとするまったく新しい経済社会体制が生まれて〉くる、その先に待っているのは世界の〈多極化〉だという(205頁)。
東西の結社筋の話し合いで出てきた案は、〈世界を7つに分ける。アフリカ、イスラム圏(中近東)、インド、東アジア、中国、ロシアを含むヨーロッパ、アメリカ大陸の7エリアだ。当然、日本は東アジアに含まれる〉というものだ(206頁)。
新しい世界経済システムでは米ドルに代わる新基軸通貨が発行されるだろう。
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