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[書評]今、アメリカで起きている本当のこと

副島隆彦、ベンジャミン・フルフォード『今、アメリカで起きている本当のこと 大統領選〝不正選挙〟から米国内戦へ』(秀和システム、2021)

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国際政治の真実 (「ベンジャミン・フルフォード氏が日本国民に教えてくれた大切なこと」)

読みはじめてすぐに、〈〇〇が今の日本操り班(ジャパン・ハンドラーズ)の親玉〉と書いてあり、ぎょっとする。その人は、アメリカ国務省の日本のプロパガンダ担当者だという。つまり、日本のマスコミのコンスピラシー担当。〈六本木の星条旗新聞社(スターズ・アンド・ストライプス)の中にあって、あそこから日本の大新聞や5大テレビ局のネットワークを使って司令を出している〉と。

ほんまかいなと思って調べると、ちゃんと六本木にあった (下)。

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このような話が ばんばん出てくる。正直、この内容でこの価格は安いと思った。講演を2-3回聞きに行ったくらいのボリュームがある。著者の二人のどちらかに興味があれば買いだろう。フルフォードさんは会心の作と言っていた。

2020年11月の米大統領選をめぐるトピックおよびその周辺の話題について、副島隆彦とベンジャミン・フルフォードが2020年9月4日、10月9日、11月13日、11月27日の計4回、東京で収録した対談を編集したもの。まえがきを副島、あとがきをフルフォードが書いている。

二人の意見には共通点もあれば相違点もある。副島はトランプ支持。フルフォード (BF) はトランプを小悪と見なす。

以下、二人の挙げたポイントを少し抜書きする。

・(BF) 総数で100万人ぐらいの人間を逮捕しないといけなくなると思います。昔の裏管理ネットワークの連中で同じ宗教のメンバーです。(中略) 簡単に言うと、[このカルトは]古代カルタゴの末裔なんですよ。(59-60頁)

・(BF) この100万人ぐらいの連中が自分でももうやばいと思っていて、逃亡先を探してたんですよ。2011年に、アメリカの議員十何名が、ニュージーランドに行って、それでニュージーランド政府に100万人の難民を受け入れてください、と頼みこんだの。でも断られちゃった。その議員たちがニュージーランドを離れた翌日に大きな地震があったわけ。(61頁)

・(BF)[ベチュー枢機卿]がベル枢機卿を追い落とす工作のために、オーストラリアで80万ドル使ったと言われています。(中略) ところが、逆転無罪でベル枢機卿が無罪にされて、代わりに、ベチューがクビになった[2020年9月4日]。それから、バチカン銀行の出納を調べたら、やっぱりお金はアニェッリ (Agnelli) 一族などに行ってたんですよ。アニェッリ一族というのは、エコノミスト誌を持っていて、ダボス会議の裏にいる連中なんですよ。(66-67頁)

・(BF) 別の切り口としてあるのは、いわゆる「グノーシス派イルミナティ対13血族」なんですよ。(中略) 彼らは世襲制に反対してるんですね。グノーシス派イルミナティは自分たちがアメリカ革命、フランス革命、ロシア革命を起こしたというんですよ。それで今度は世界革命をやろうとしている。彼らは能力主義ですから、軍事には強いの。それに対して13血族はヨーロッパで強い。王族、エリザベス女王とか。(73頁)

・(BF) 問題は、ではトランプが勝ったとしましょう。それでもやっぱり外の世界との話し合いがまだ残るんですよ。アメリカがすでに倒産しているのは事実なんですね。海外のお金に依存してごまかしているのも事実なんですよ。それでアメリカ軍が世界から撤退したら、軍人たちがみんな失業者になるわけです。彼らが飯を食えなくなる。それをどうするんだと。(78頁)

・(BF) ネットは核戦争でやられても、コミュニケーションがとれるように作られてるから、ここを押さえたら、あっちが出るという、もぐらたたきの状況ですよ。なかなかすべての情報の管理はできない。だから、私みたいな人間でも、独自でニューズを発信できるんですよ。私はスイスにサーバーをレンタルしています。万が一、スイスで何かあったら、アイスランドに移すつもりです。アイスランドだったら絶対に抑えきれないから。そういう情報は昔だったら封印されていたのが、今は封印できないんですよ。だからあの悪い人たちが困ってるわけ。Google を押さえたと思ったら、別のところから出てきたりして、大変なんですよ。(80-81頁)

・(BF) 私が情報源から言われたのは、グーグル (アルファベット) は、自前の軍隊を作っているんですって。それをどうするのかというのが、すごく大きなポイントですね。(95頁)

・(BF) 私は世直しが自分の活動のメインの目的ですから。別に自分の利益じゃなくて、世界をよくしたいと思っている。(102頁)

・(副島) 私も民衆のいるところへ行きます。(中略) イデオロギーが入ってないし、ちょっと宗教がありますけどね。神がトランプを守りますようにという。この人たちが一番穏やかで立派だと思う。普通の人たちですからね。これがトランプを支えてるから、私はそれでもう十分だと思っている。(105頁)

ここまでが1章の抜書き。この調子で4章まで続く。

フルフォードという人はおもしろい。彼の曽祖父がGEの筆頭株主で、発電のことでニコラ・テスラを後援していたという (139頁)。

副島という人もおもしろい着眼をしている。〈日本の仏教教団 (歴史的に16宗ある) は、どうもカトリックの亜流になっている〉と言う (212頁)。特に何宗がという指摘はしていないが、するどい。

副島氏は本書のタイトルを最初「ベンジャミン・フルフォード氏が日本国民に教えてくれた大切なこと」にしたいと編集者に言ったという (190頁)。それに対してフルフォード氏は〈私はそれよりも、国際政治の真実。要は陰謀論とか、闇の何とかじゃなくて。もう闇じゃなくて表に出していいという考えなんです〉と答える (190-191頁)。

なお、副島氏はフルフォード氏を、エズラ・パウンド〜ユースタス・マリンズの系譜 (〈真実を人々に書いて伝える人々〉) に置いている (192頁)。この発言には心底驚いた。パウンド学者のはしくれとして、この言葉の意味が分るからである。

#書評 #ベンジャミンフルフォード #副島隆彦 #米国

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