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[万葉]万葉恋歌の超訳

『超訳万葉集』の題の書籍もあるが、ここでは上野誠著の『小さな恋の万葉集』を覗いてみる。広く言えば口語訳万葉集だけれど、もっとふだんの話し言葉に近い。もし、ここに訳されているようなニュアンスだとしたら、1300年前も今も恋を語る言葉はほぼ同じだと感じさせられる。

例えば、次のような歌がある。

ふたりのほかに
だーれもいないお国が
どっかにないんやろか……
あの子とふたりっきりで
手に手をとって
デートを楽しめるお国はないんかい!

こんな歌、ほんとに万葉集にあるのか。もし、あるとしたら驚きだ。

この本では、現代語訳のあとに原文が平仮名だけで載っている。

ひともなき
くにもあらぬか
わぎもこと
たずさいゆきて
たぐいておらん

ふーんと、半分なるほどと思う。最後の「たぐいておらん」は上の訳のようなニュアンスなのだろうか。ちょっと調べてみた。

大和歌を英語で読む(2)」マガジンの番外篇です。

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