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[書評]『願いをかなえる「縄文ゲート」の開き方』

保江邦夫『願いをかなえる「縄文ゲート」の開き方』(ビオ・マガジン、2019)

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著者の保江邦夫氏は世界的な理論物理学者。2018年末から「大公開」時代にはいったと宣言し、これまで秘密にされてきた多くのことを公開しはじめた。本書は2019年7月の刊行だから、まさに「大公開」時代のど真んなか。

なにを公開するのか。著者の専門的立場からいえば、令和の日本に開かれつつある状況を理論物理学により解き明かすことだ。その基礎的理論は湯川秀樹博士が晩年に唱えていた「素領域理論」(Elementary Domain Theory) であり、その当時は数式化されていなかったのを、後年、湯川博士の弟子である保江博士が方程式で表した。その「保江方程式」は、そこから「シュレーディンガー方程式」が導ける画期的なものだ。

「縄文ゲート」がいま開きつつある。それを本書ではやさしいたとえで説明する。〈母胎が宇宙で胎児が僕たち、両者をつなぐへその緒が縄文ゲートや霊性にたとえられる〉と著者は述べる。そのへその緒がいま一番太くなっているために、胎児が望むことはなんでも母胎から与えられる時期にはいっているという。

本書はさまざまな実例をあげつつ、この新しい時期について説明する。ところどころでは理論的背景として素領域理論を援用する。ときには、著者のもうひとつの顔である陰陽道や伯家神道の秘儀・神事の継承者としての特別の角度からも説明する。

しかし、なんといっても、本書で圧倒的なのは、驚異的な具体例の数々だ。それらのすべてに縄文の日本人がそなえていた霊性が関わる。その霊性についても素領域理論で位置づけられている。

それらの具体例を読者の幸せのために心をこめて書いていることがひしひしと伝わってくるが、それが最高潮に達するのは最後の第5章「ふたたび戻ってくる縄文の世界」だ。その章の「福祉乗馬」の項を読んだとき、人馬一体とはこのことだったのかと、ふかく感動した。それを始められた滝本眞弓さんは本当なら2020年東京パラリンピックの理事として大活躍されていたところだったが、開催が延期されたために、その成果を楽しみに待つほかない。

紙冊体の本にはとじ込み附録で「あなたの願いをかなえる縄文の秘儀」が公開されていると書かれている。ご心配なく。電子書籍版にもそれは含まれている。

#書評 #縄文 #乗馬 #理論物理学

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