見出し画像

「シカゴ・メッド」と「ER」

断然「ER」派だった。

「シカゴ・メッド」を見始めてからだいぶ経っても、「ER」に比べて、なんかなあと思っていた。どちらも米NBCの医療ドラマだ。

ところが、今や(シーズン1のエピソード16くらい)、「シカゴ・メッド」の方を基準にして「ER」を見てしまう。

つまり、基準が、「ER」から「シカゴ・メッド」に移ったのだ。

これには、自分でもびっくりしてしまう。なぜなんだろう。

両者の設定は似ている。同じシカゴの救急病院が舞台。ドラマは主に救急病院内で展開し、勤務する医師や看護師、研修をつむ医学生、病院経営者などの人間関係も織込まれる。

「ER」が放送されたのは1994–2008年。シーズン1から15まで。

「シカゴ・メッド」が放送されたのは2015-16年。シーズン1から2まで。2017年5月からシーズン3が放送されている。

一般的に、「シカゴ・メッド」は「ER」のコピーと評されている。確かにその面はある。

しかし。違う点もある。緊急の治療や手術の際の医師たちの会話の調子が違う。切迫した状態は変わらなくても、ことさらに緊迫感を盛り上げるような興奮した調子が「ER」にはあったとすれば、それは「シカゴ・メッド」にはほとんどない。いわば後者はクールなのだ。内情はドタバタであっても、後者は洗練されている。

両者の違いは、救急医療を取巻く事情の変化もあるだろうが、ひとつ見逃せないのが、「シカゴ・メッド」では精神科医が重要な役割を果たしていることだ。この面は「ER」では全くなかった。精神科部長の Dr. Daniel Charles は医師が治療や患者の心理的側面に対処する際にアドバイスを与える。必ずしもいつも効果的というわけではないが、外科医らの視野には入らない心の問題がうまく掬い上げられたときは、見ていておおーっと思ってしまう。ふつうの救急病院でもこのようなシステムになっているのだろうか。

#医療ドラマ #救急医療 #ER #シカゴメッド #NBC #シカゴ #精神医学

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?