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[書評] 「3000」と「石」という共鳴点

保江邦夫、高野誠鮮『令和のエイリアン』(明窓出版、2022

保江邦夫、高野誠鮮『令和のエイリアン』(2022)


本書の内容は表面的には、まさに副題のとおり〈公共電波に載せられないUFO・宇宙人ディスクロージャー〉となるだろう。実際、書評であっても書くのを憚られるような極秘情報が満載の本である。斯界きっての事情通である二人の対談なのだから、ある意味,予想通りであるが。

対談者は、物理学者の保江邦夫と、僧侶の高野誠鮮。この二人が直接間接に見聞きしてきた情報が所狭しと本書には書いてある。本書の最大の欠陥は索引がついていないことだ。網の目のようにからんだ情報群を、あとで読者はどうやって探せばよいのか、途方にくれる。せめて電子書籍で出してくれれば検索できるのだが。

それらの情報は、あまりにも危ないので、書けない。

そこで、ここでは、二人が不思議にも響きあっていると思われる点について書こう。キーワードは「3000」と「石」である。

まず、「3000」。保江は地球に囚われた 部下3000名の救出の使命を帯びている旨を話すと(151-152頁)、高野は法華経の〈三千衆生〉の経文を思いおこす(提婆達多品第十二)。〈三千人の衆生が菩提心を起こして授記を受けて救われる〉という箇所。どちらも救いに関る。

つぎに、「石」。高野が石と話ができないとUFOの操縦ができないことを仏教の感応道交をふまえて話す。すると、保江はUFOの操縦法を訊いたところ赤松瞳さん(ロシアのUFO研究所にいた)に植物とお話しできるかと返されたことを話す。保江ができないと言うと、物とも気持ちを交わせなければUFOの操縦や宇宙人と交流はできないと赤松さんに言われたと(87-90頁)。

それと同じ話を高野が語る。数十年前、米軍の空母キティホークに招かれた池田整治さん(元陸上自衛官陸将補、作家)が〈宇宙から来た友達のテクノロジー〉(超近代的なセンシング装置)を体験させられる。そのときに〈UFOをコントロールするには、石と話ができなければダメだ〉と、赤松瞳さんの話と同じことを言われたと(302-304頁)。

評者が本書で最も興味深く思った話のひとつが、春日大社の葉室賴昭宮司(1927-2009)の話だ(93-97頁)。神職だが、医師でもある。

彼は大阪帝国大学医学部に入学してから、結核になる。当時は結核は不治の病といわれたので、もう勉学はできない。下宿を引きはらって東京へ夜汽車で帰ることになる。

かわいそうに思った下宿のおばさんに、〈帰りにこれでも読んでいき〉と言われて小さな本を渡される。岡山医学専門学校産婦人科の教授が書いた本で、生長の家で起きた不思議なことが書いてあった。

夜汽車の中で、迎えに来た母や使用人たちが寝ている間にずっとその本を読んでいたら、涙が出て止まらなくなる。読んでいくうちにだんだん元気になり、東京駅に着いたときには、すくっと立って、〈お母さん、俺はもう治ったから、これから大阪まで戻る〉と言う。

そんなはずはないと説得して、頼んであった東大医学部内科の教授に診てもらったところ、教授が高笑いする。〈これを結核という阪大の教授はアホか〉と。そして葉室氏は大阪に戻り、勉学に励み、ちゃんと医師になる。

彼は形成外科を専攻し、アメリカで神様といわれる名人の先生のところで学べることになる。その先生が執刀すると傷が残らないとされていた。1年間学ぶが、確かにその先生の手術の跡はわからなかった。

1年後、帰国するとき、〈結局わかりませんでした〉とその先生に言うと、その次の手術の第一助手にしてくれた。手術を先生のすぐそばで見ていたが,結局何もわからなかった。

先生に訊くと、〈神様が教えてくれたタイミングに切り始めたら、傷は残らない〉と言われる。

彼は、これは自分には無理だと思い、いったん医者を辞める。しかし、神様との対話という点において、自分が学生のときに一晩で治るということもあったのだと思い出す。

そこで神との対話を学ぼうとするが、葉室家は天皇家の血筋ゆえ、生長の家に入るわけにはいかない。そこで、国士舘大学に入学し、神道の勉強をして神職の免許を取る。

このような逸話を読み、彼の祝詞のCDブック(『大祓 知恵のことば』)を聴きながら、しみじみと不思議に思いをいたす。

#書評 #保江邦夫 #高野誠鮮 #葉室賴昭

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