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[サブスク]購買の条件

定期購読、定期視聴などのいわゆるサブスクリプションを自分ならどういう場合に続けられるだろうと考えてみる。

その前に、どんなものなら自分は喜んで支払うか。それは非常に簡単。即答できる。それがないと生きていけないくらい必要なもの。それを見たり聴いたりしなければ死ねないと思うくらい気になるもの。それくらいだ。その条件に合致するものなら即決。

ところが、世の中、うまくしたもので、そういうものはそれほどない。逆に多過ぎれば財政的にもたないだろう。

ちなみに、どんなものを思い浮かべているのか、具体例を挙げないと、書いていることに説得力が出ないだろう。少し例を挙げる。

例えば、飲み物。——アイルランドの紅茶 (Lyons などの loose leaf タイプ)。手に入るなら何箱でも。これが残念ながら日本ではまず手に入らない。だから、アイルランドに行くたびにスーツケースに入るだけ詰めてくる (下)。

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理由は簡単で、私見ではアイルランドのブレンドが自分には世界一おいしく、他国を凌駕するコストパフォーマンスだからだ。

例えば、TVドラマ。——'Messiah' (Netflix, 2020) Season 1 のみで継続されないと分ったので、Netflix に未練がなくなった。あるいは、'Atiye' (The Gift) の次のシーズンが始まれば再開するかもしれないが。

理由は簡単で、前者はキリスト教・ユダヤ教・イスラムのいづれにも関係するメシアの到来を現代社会でシミュレートした物語が珍しく、迫真性があること。後者はギョベクリ・テペに関するドラマが他に見当たらないこと。

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[Messiah]

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{Atiye]

本題に入る。定期購読に値するもの。これは、何が読めるかによる。単発のものの場合、予測が難しい。傾向で考えるしかない。一方、連載は判断しやすい。自分の場合でいえば、曽野綾子氏の連載が見つかればすぐに読む。知る限りでは、「WiLL」(ワック、月刊) と「Voice」(PHP研究所、月刊) とがある。かつては、「産経新聞」(産業経済新聞社、日刊)と「週刊現代」(講談社、週刊) とがあったが、連載がなくなったので購読を止めた。

定期的に音楽が聴けるもの。これは、何が聴けるかによる。Apple Music を試行してみたら、聴きたい音楽がほとんどなかった。あったとしても、圧縮音源をそう聴きたいとは思わない。かつては、レコードの定期購買があった。コンサート・ホール・ソサエティはアメリカの原盤が多かったが、音楽にふれる機会をふやす貴重なクラブだった。

今までに入っていたなかで最もよかったのは、Readers Subscription というアメリカのブック・クラブだった。非常に質の高いハード・カヴァの新刊書を安価で提供しており、ここで知った本や著者がどれほど豊かなものだったか、語りつくせない。ある時に別会社に吸収されてからはサービスの質が落ちた。今ではネット上でもこのクラブに関する情報はまったく出てこない。

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こうしてみると、今でも質の高いサブスクリプションに対する潜在的需要は決して少なくないはずだが、現状はそれを提供するところがないか、あまりないということだ。知らないだけかもしれないが。

傾向の違うサブスクリプションに、有料の会員制動画がある。一度だけ、掛谷英紀氏のたぶん学生向けと思われる解説動画を見たことがあるが、疫病に関する最新の論文の画面に次々に注釈を音声で加えていくもので、あのレベルのものが見られるなら、会員になりたいものだと思った。

ここ note にも定期購読マガジンなどがある。自分でも 英詩 のを含めいろいろやっているし、人のマガジンも購読している。その気になって探せば、まだまだ、何か見つかるかもしれない。

#tea #subscription #book

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