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[書評]人類を養殖している生物がいる

アラン・イシコフ『人類を養殖している生物がいる』3版 (Tanupack, 2013)

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興味深い。読み出したらやめられない。一気に最後まで読ませる。

「ムー」2020年1月号の「アトランティスの神々が甦る!! 2039年 ヒトラーの未来予言」(ToM) で言及され、再び脚光を浴びた書。

著者イシコフが2009-2010年頃に出会った人々の発言を「小説」の形式でまとめたもの。主として著者とそれらの人々との対話から成る。

2010年2月22日付のあとがき(その1)、2010年9月6日付のあとがき(その2)、2013年3月16日付のあとがき(その3) から見ると、1版と2版が2010年、3版が2013年と思われる。

出会う人物は著者のインターナショナルスクール時代の友人かその関連の人々。

著者じしんは40代の男性。アラン・イシコフは本名でない。父はロシア人。母はハンガリー生まれの日本人で、正確には日本人の父とハンガリー人の母の間に生まれたハーフという。

著者は日本国籍で、日本語で書いている。一部に英語が混じった原稿をプロのライターが読みやすくリライトする予定だと「あとがき その1」にある。Kindle 版で読むと本全体で数カ所のタイポが残っているが、概して読みやすい。

本書で著者が出会う人物は、シンプソン神父、友人トミー、物理学者小岩沢潔、陶芸家ステファン・ダスター、UFO研究家エドガー・ドーソン、遺伝病研究者大庫條司の6名。

彼らの話の内容はそれぞれの角度からの話で、もちろん異なる。しかし、ある共通する点があり、著者はその共通点に惹きつけられてゆくというのが本書の概略だ。

その共通点を一言で表すと題名の〈人類を養殖している生物がいる〉になる。

言葉だけ聞くと、と学会などが取上げそうな「トンデモ本」の話題に見える。

しかし、よく読むと、「ムー」誌の前掲記事でToM氏が書いたような、ヒトラーの2039年の予言と類似する面や、ファチマ事件に関わる面もある。

それらに関する文献はいろいろあるが、本書に書かれている内容は管見の限りではこれまで出ていない。それに対する論評や研究も今のところない。

本書の内容は他では見ないものだが、さまざまの分野の人物から共通した視点が出てくることそれ自体が驚異であり、この方面に関心がある人は一読の価値がある。

時期がくれば続編も、と「あとがき その3」にある。楽しみだ。

#書評 #預言 #人類 #ファチマ

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