マガジンのカバー画像

Caol Áit / 妖精・天使・精霊

34
アイルランドの伝承にいう Caol Áit を探し求める研究ノート、および、あっち系に見えますがマジメな妖精・天使・精霊の議論
運営しているクリエイター

2016年2月の記事一覧

妖精の起源(付:ルシフェル、人名レノン)

アイルランドの妖精譚の大部分は刊行されていない。いまだに収集者の手書きのカードが保管庫に収まっていて、いつの日か文字に起こす人が出るのを待っている。 duchas.ie というウェブサイトは、その種のコレクションが画像の形で集成されているところの一つで、篤志家の協力を待っている。そのうち、The Schools’ Collection という1930年代にアイルランドの生徒が収集したフォークロア・コレクションがあり、妖精譚が含まれている。 筆者は時間を見つけて少しづつ手書

¥150

妖精にさらわれた男

アイルランドのフィドラーが妖精にさらわれた話を紹介する。19世紀末に収集されている。 Duchas.ie というウェブサイトに草稿のデジタル化作業を行う篤志家を募集している資料がある。そのうちの The Schools’ Collection という1930年代にアイルランドの生徒が収集したフォークロア・コレクションに妖精譚が含まれている。 筆者は時間のあるときにこの資料の手書きのカードを解読してタイプし、アップロードしている。するとサイトの校閲担当者が見てOKであれ

¥150

自分の名前のこと。Mícheál と書いて…

ミオールと読めるのは、おそらく、ここ note で私の note をご覧になった方だけだと思います。  今から説明しますが、個人情報に関わることを含みますので、この先は有料とします。onomastics (名称学、固有名詞学)としての議論も含みます。   名前 Mícheál についてのあれこれです。  名前のつづりのこと、名前の意味、私に関わること、各国で同じ名前が変わること、名前から派生した名字、関連することばや文学作品、聖書の典拠などについてです。

¥200

フォークロアっていうのは、ばかばかしいものか

〔アイヴァスが幻視したプラハ ↑〕 この世界の隣にある街(ある意味で異界)の住人が、自嘲気味に語る。 フォークロアっていうのは、ばかばかしいものでね。自分たちの儀式のほうが、あなたたちの世界の規律が秘められている雛形であって、あなたたちの世界が忘れてしまった意味を維持しているのが自分たちだって始終豪語している。ぼくは、それはどうかと思うんだ。 これはアイルランドの妖精の話ではない。チェコの話だ。住人はさらに語る。 ぼくらの街のひとびとは、あなたたちが来る数千年もまえか

¥100