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夏バテと熱中症などとの違い

夏バテとは

夏バテと熱中症、人によっては「似ている」と感じるかもしれませんし、感じないかもしれません。他にも最近はあまり聞く機会が少なくなりましたが、「日射病」だとか「熱射病」だとか、似たような名前のものがありました。死語(?)ということで言えば、「夏痩せ」という言葉もありました。ホントに耳にしなくなりましたが、こういったものと夏バテの違いって、いったいなんでしょう。

夏バテとは、自律神経が混乱して参ってしまった状態だといえそうです。自律神経には2種類あって、交感神経と副交感神経がありますが、興奮や緊張をもたらす交感神経が優位になると、体を冷やそうと頑張ってくれます。反対に副交感神経はリラックスといった方に働きかける側です。夏の暑さが酷いと体を冷やそうとして交感神経が優位になってきます。そうすると副交感神経とのバランスが崩れてきて、体調不良を起こすことになったり、体がだるくなったりと、様々な症状が出てきます。夏バテとはこのような状態を指しますが、どうやら医学的な定義はないようです。

自律神経は体温調節や呼吸数、心拍数、その他いろいろな事を調節してくれていますので、人はこれらを意識せずに済むのですが、自律神経のバランスが崩れると、いろいろな不具合が生じます。こういった状態を指して「自律神経失調症」と呼びますが、夏の暑さが原因の場合は「夏バテ」と呼んでいるだけのようです。通常、自律神経失調症という場合は、ストレスや過労、身体的な負担、更年期障害などで起きてきます。その中で光や温度、特に暑い寒いといった温度が身体的な負担につながります。ですから、夏バテとは夏の暑さが原因で起きる自律神経失調症といえるかもしれません。

熱中症

熱中症とは、夏の暑さなどが原因で体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり体温調節の機能がうまく働かくなったりして、体温が上昇する、めまい、けいれん、頭痛といったさまざまな状態を引き起こすことを指します。重症度などで分類する方法がありますが、今回はそのような詳細については割愛いたします。

熱中症が起きやすい場所というと、炎天下で長時間仕事をしたとか、運動していたとか、そんな状況をイメージするかもしれません。しかし、時には部屋の中でも起きてしまいます。例えば、「気温が高く、湿度も高い」「風が弱くて日差しが強いので全然涼しくない」「外に居てアスファルトの地面など、照り返しも強い」、こんな場所などは要注意です。

家の中だとしても、油断は禁物。家屋の中や屋根の下だから安全というわけではありません。密閉した部屋の中であれば、条件さえ整えば冬だって熱中症になる可能性があるんです。

夏バテは、簡単に言えば自律神経の乱れが原因、熱射病は高温多湿の場所で体温の調節が出来なくなった状態、ざっくりとそのように分けられそうです。

日射病、熱射病

この二つと熱中症では、どう違うのか分かりにくいようです。これについて、ちょっとまとめてみます。

熱中症:気温が高い場所で起きる熱による障害全般を熱中症と総称しています。暑さによって熱が体にこもってしまった状態を指します。
日射病:熱中症の原因が強い日差しによる場合や直射日光による場合を指します。
熱射病:熱中症の原因が高温である場合を熱射病といいます。

こうしてみてみると、日射病も熱射病も、熱中症に含まれることになりますね。だから、最近耳にすることが無くなったのでしょう。熱中症にまとめてしまえば、あまり大きな問題は無さそうです。全てに共通して、体温を下げることを優先すればよいわけですし、予防や対策も同じ、熱中症を防ぐことが出来れば、自然に日射病も熱射病も防げるわけですから。

夏痩せと夏太り

もう一つ、話題提供をしておきます。こちらも最近耳にする機会が減った言葉で、「夏痩せ」です。ところが、痩せるくらい暑いにもかかわらず、夏に太ってしまう人もいるようです。夏休みが明けて久しぶりに会った友人がふっくらとしていたら、「ずいぶんかき氷食べたんだろうな~」なんて思ったりしたこともありましたが、実際どうだったかは本人に訊いていないので分かりません。

意外かもしれませんが、夏に太るという人は痩せる人の3倍ほどになるという話があります。にわかには信じられませんが、でも痩せる人よりも太る人の方が多いということについては、何となく分からないでもない、そんな気もします。

両者の違いを一言で言ってしまうと、胃腸の強さという点になるそうです。胃腸の機能が強ければ太りやすく、反対に弱ければ痩せやすいということですね。これを羨ましいなんて言ってられません。夏痩せする人は栄養不足になりやすいということでもあるわけですから、糖質は摂っても他の栄養素は不足しがちです。特に体を作るタンパク質などを摂るように心がけるとよいでしょう。反対に太り気味になる人は、ビタミンやミネラルを摂ることに注意して、代謝が下がらないように気をつけましょう。

夏はただ暑いだけかもしれませんが、その環境にいる私たちの側は、人によってずいぶん違いがあるものですね。


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