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リン酸塩(Na)のはなし

今回はリン酸塩を取り上げます。これもまた、いろいろなウワサが飛び交っているようですね、それだけ使用される頻度が多いという事でしょうか。そうなると安全性の問題は当然としても、食品に添加されている量についても気になります。

リン酸塩が食品に添加される理由ですが、思いつくのはpHの調整をするんじゃないかという役割りです。実際に化学の実験などではリン酸化合物を使った緩衝液というものを使用することがありますので、pHを安定させる働きがあるんじゃないかと考えたのですが、どうやら当たってました(やった!)。実際に調べてみると、リン酸塩はpH調整剤の役割りをもって保存性を高めたり品質の維持を図ったりするという事でした。その他には、食品のいくつかの原料同士をうまく接着させる働きがあったり、食品に含まれる水分と油分をうまく混ぜ合わせる働きを期待されたりして使用されているようです。

リン自体は体にとって必要なものです。その多くが骨や歯のところに集中しています。その他としては血液中などに分布して、細胞の浸透圧に関係したりしています。いずれにしても体の中で重要な役割を担っているわけですね。ただ、必要ならどれだけたくさん摂取してもいいかというと、そういうわけでもありません。どこかで書いた気がしますが、リンとカルシウムは吸収に関しては拮抗状態にあるので、リンの摂取が多いとカルシウムの吸収が少なくなるという一面もあるんです。リンの摂取は多すぎてはいけませんが、少なすぎても良くないようです。ある記事には「同じくらいの量を摂取すれば~」と書かれていましたが、どうやってその目安をつけるのかまでは書かれていませんでした。だとすると、一人一人が摂取し過ぎないように注意しようという事になりそうですね。

さて、そんなリン酸塩は、練り製品やハム・ソーセージといった食肉製品・プロセスチ-ズなどに用いられる食品添加物です。他にも清涼飲料水やインスタント食品でも使用されています。つまりは加工食品という事なのですが、どれもこれも身近な食品ですね。

では、リン酸塩のどんなところが危険だとか問題だとか言われているのでしょうか。これだけ様々な食品に添加されている物質なので、少なくとも欠乏状態にはなりそうにありません。ということは、過剰摂取が問題になるという事ですね。

先に少し触れましたが、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害します。結果として骨が脆くなったりして骨密度の低下、ひいては骨粗しょう症につながる恐れが出て来ます。それだけでも十分に問題がありそうですが、さらに突っ込んでみていくと腎機能が低下してしまう可能性があることや、免疫力の低下といった困った問題を引き起こすかもしれません。

リンの過剰摂取を防ぐためにはどうすればいいかというと、いくつかの方法が考えられます。一つは加工食品を使用する頻度を減らすという事、あるいは加工食品よりも素材である生鮮食品を選ぶということでしょう。加工食品の使用を無くすという事は難しいでしょうから、減らすという方法で考えてみてはどうでしょうか。

他にも、加工食品を用いる場合も下ゆでをしたりゆで汁を捨てたりする方法も示されています。また、可能な範囲からでもよいので、清涼飲料水や菓子類の摂取を減らすという方法もあります。出来る範囲からでよいので、リン酸塩の過剰摂取にならないよう注意しましょう。


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