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植物性たん白

今回取り上げるのは植物性たん白という表示なのですが、これって食品の成分をただ記載しただけじゃないのかという疑問が出て来そうです。調べてみました。

普通に考えるならば、植物性の食物(野菜は穀物、果実など)に含まれるたんぱく質の事でよいのですが、わざわざ記載があるという事はその食品に添加しているという事ですので、植物由来のたんぱく質を追加したという事になります。主に大豆や小麦などを原料としてここからたんぱく質を取り出して、それを該当する食品に加えたという事ですね。JAS(日本農林規格)によると、たんぱく質の含有量が50%以上にまで増加させたものだそうです。

どんな目的で量を増加させたのかを考えてみると、思いつくのは栄養成分の増強という事でしょう。実際に、そんな意味合いで行われている添加の事例はたくさん存在しています。ですが、それだけではありません。たんぱく質は加熱するとサイズが小さくなりますよね。そんな縮んだりサイズダウンしたりすれば食品自体が小さくなったりバランスが取れなくなったりします。それを防ぐために植物性たん白を添加する場合があります。

じつはこの理由以外にもたくさんの理由があって、植物性たん白が加工諸侯品に添加されています。食品の加工を助けるための機能というと、乳化性、保水性、結着性、食感改良性などです。

例えば乳化性、加工食品に含まれる脂肪分はどうしても分離してしまいがちですが、植物性たん白を加えることで脂肪分を分離させることなく、全体にまんべんなく行き渡らせることができます。その結果として味の向上などが期待できるわけですね。水分なども同様です。水分が加工の途中で抜けてしまったらパサパサな食感になるかもしれませんが、保水性によりこれ等も防ぐことができます。その他にも結着性(形の保持)など、様々なメリットがあるんですね。

その他にも植物性たん白の原料は大豆や小麦ですから、最近の健康志向にも合致する食品としてのイメージがありますよね。また、コストの面でも有用という事になっています。消費者からすれば価格としては気になるところですが、健康面への寄与する理由などは知りたいですよね。これも調べてみました。

まず植物性たん白は動物性タンパク質と比較して、飽和脂肪酸やコレステロールの含有量が低く、食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。こういった特徴は、ヒトの健康面に様々な好い影響をもたらします。

例えばコレステロールや飽和脂肪酸が少ないことで動脈硬化や心血管系の疾患のリスクを下げる効果が期待できます。また消化吸収に多少なりとも時間がかかるために、血糖値の上昇を緩やかにすることが期待されます。これは糖尿病の予防や改善に有用な作用ですね。他にも抗酸化作用を持つビタミンなどが豊富に含まれているとか、植物性たん白に含まれる食物繊維による腸内環境の改善を促す作用、カロリーが動物性たん白に比べて低いことから、ダイエットに有用なんじゃないかという意見もあります。

ただ、メリットが多いからと言ってデメリットが無いわけではありません。最も分かりやすいれいはアレルギーでしょう。一般に植物性のものはアレルギーを起こしにくいと思われがちですが、そもそも小麦や大豆にアレルギーを持つ人には摂取は向いていません。

また、植物性たん白もたんぱく質ですから様々なアミノ酸を含んでいるのですが、必須アミノ酸の含有量などは多少なりともその成分量に偏りがあったりします。またビタミンB12やヘム鉄などもほとんど含有していません。こういった例があるので注意が必要です。

このようなことも踏まえての、植物性たん白摂取が必要ですね。

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