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9、たんぱく質の話

たんぱく質の話は昨年の3月頃に一度書いたことがありますが、改めてここで取り上げたいと思います。

たんぱく質はご存じの通り、三大栄養素の一つで、特に体を構成する成分の中では重要なものの一つです。アミノ酸と呼ばれる20種類の小さな化合物がが結合した高分子化合物で、筋肉や皮膚、臓器などを作っています。そしてこのアミノ酸の種類や数などの組合わせによって、様々な種類のたんぱく質が作られます。免疫系で働く各種の抗体も、たんぱく質の一つです。

アミノ酸の中には「必須アミノ酸」と呼ばれるものがいくつか存在していますが、この必須という言葉は「体の中で合成することが出来ないので、食事などの形で外から取り入れなければならない」という意味を表します。覚え方もいろいろとあると思いますが、以下の9つが「必須アミノ酸」と知られています。

トリプトファン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、ヒスチジン
(私が40年以上昔に勉強していた頃にはヒスチジンは入っていなかったような気がします。学問としてもどんどん進歩しているんですね。)

たんぱく質は上に書いた通り三大栄養素の一つですから、カロリー計算の時の対象の一つですね。これも以前に書きましたが、たんぱく質1グラム当たり4キロカロリーで計算しますので、食事の時の摂取カロリーに影響を及ぼす物質でもあります。

では、食事として摂取する時にどれくらいの量を目安にすればよいか、私はあまり考えた事がありませんでしたが、調べてみると男性が一日当り60グラムから65グラムくらい、女性が一日当り50グラムくらいのようです。と言っても、これはあくまで平均的な数字です。体型にもよるでしょうし、毎日の運動量でも変わってくるでしょう。そういった個人差の違いで多少変わってきます。また、育ち盛りの人ならもう少し量が多い方が良いでしょう。

そうだとして、私たちは普段の食生活ではたんぱく質の摂取量は足りているんでしょうか。
じつは・・・。

これは厚生労働省の調査による統計データなのですが、平均摂取量で見る限り男女とも必要量を上回った量を摂取しているらしいことが分かっています。もちろん年齢によってバラツキもありますし、高齢になれば摂取量は減ってきます。それでも数字で見る限り、80歳以上の人でも必要摂取量を上回っているとのことでした。一人ひとり個別に見ていけば、また違った結果になるかもしれませんが。

カロリーとして摂取量を考える場合は、たんぱく質から摂るカロリーの量は一日の総摂取カロリーの15パーセントから20パーセントくらいが理想となるようです。多くても20パーセント辺りまでが良いようですね。

このようにある程度は目安があるのですが、たんぱく質の消化吸収に関しては腎臓に負担をかける場合があります。したがって先に挙げた数字がすべての人に当てはまるかというと、そうとは限らないという事も知っておいてください。もしご自分が腎臓が弱り気味だと思う時は、医師に相談するなどして負担の無いように注意していただく必要があります。

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