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海外ドラマを観た記録

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海外ドラマを観た感想文です。
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記事一覧

スタートレック:ピカード(S3)有終の美を飾るための「作品愛」

Star Trek:Picard Final Season "Ep.10:The Last Generation"をもってピカードとそのクルー達の長い長い物語が完結しました。 前回や前々回に続いて感想です。 これまでと最終シーズンの概要(このセクションはネタバレなし)Season.1では ピカードの隠棲からの再起、人生の再生とデータとの別れ。 が描かれ、Star Trek Nemesisからの空白の期間を補完するようなかたちで展開し、ピカードが必ずしも幸せとはいえない人生

スタートレック:ピカード シーズン2感想文おかわり。Qの心境を深掘る。

以前にスタートレック:ピカード Season.2についての感想はざっとまとめましたが「おかわり」的な感じでもう少し。 Q連続体の一員「Q」とジャン=リュック・ピカードの関係について改めて触れたいと思います。 新スタートレック(TNG)から長くトレッキーとして観続けている人にとっては、この二人の因縁の…というか奇妙な関係はよく心得ていることと思います。 その前提で話を進めます。 Qとピカードと作品への関わり知っている人は読まなくてもわかるはずなので飛ばしてください。 TNG

Netflix「リンカーン弁護士」の感想。

Netflixにて「リンカーン弁護士」のドラマシリーズが配信されました。 この記事にはネタバレはありません。 リンカーン弁護士とは、高級車リンカーンの後部座席をオフィス代わりに刑事事件を扱うミッキー・ハラー弁護士の渾名で、マイクル・コナリーによる原作「リンカーン弁護士 ミッキー・ハラー シリーズ」のタイトルでもあります。 マイクル・コナリーはアメリカのハードボイルド小説作家で「ハリー・ボッシュ シリーズ」の代表作で知られ、ハリー・ボッシュ シリーズは人気刑事ドラマシリーズ

スタートレック:ピカード(S2)孤独を癒す時空を超えた旅だった

STAR TREK:PICARD Season.2を観終えました。 この記事は、ネタバレ(Spoiler)とか過剰に気にするような人には向かない内容です。 少し長くなりますが、ざっと導入部の概要のみまとめておきます。 イントロダクション前シーズンでは、まさに年老いて惑星連邦とも対立してしまい隠居せざるを得ない状態に追いやられた老将ピカードの奮起の物語でした。 そこには老いや不治の病、死への恐怖といった普遍的なテーマで生命の意味を考えるようなエピソードが中心でした。 また、悲

BOSCH Season.7(Final)を観終えました。

今回は単に好きなドラマを観きった感想文で、それをダラダラと長く書きます。なにかの参考になれば幸いです。 BOSCH Wiki 予告編 BOSCH/ボッシュ シリーズは、いまの世の中には時代遅れになりつつある本当に硬派な「ハードボイルド」刑事ドラマです。 ベストセラーのハードボイルド小説「ハリー・ボッシュ シリーズ」のドラマ化で、製作総指揮は原作者(マイクル・コナリー)です。 Amazonのオリジナルドラマとしてスタートして7年続いた最長継続タイトルだそうです。 コナリー

スタートレック:ピカードの決定的なミスといえる不満について

そろそろ時間も経った頃なので「STAR TREK:PICARD Season.1」の最終話に触れたい。ここでは最大の見どころであり最もドラマチックなシーンへの「日本語演出」の不満を記します。 結末は書いてはいないけど、惑星連邦宇宙艦隊(USS)の英雄ジャン=リュック・ピカードのその後の核心に触れます。 作品を視聴済みの人にとっては当たり前だが、重要なので… このシリーズのピカードは94歳。 惑星連邦を離れ退役提督となった彼の鬱々とした隠居生活から始まります。 艦隊の英雄や伝