2022年を掻っ攫った超ド級のスリーピースバンド・ブランデー戦記
私に足りないのは人生経験とあと何かしら
私がクラシックを分かるようになったら結婚してくれる？
今年ももう残りあとわずか。
よく聴いた曲を振り返ったり冬フェスを待ち侘びたりする裏で、2022年を塗り替えてしまうほどのノスタルジックロックバンドが誕生したことを知っているだろうか。
「Myra」「W/X/Y」「Overdose」といった最近のヒットを超えるバンドが、年の瀬に突如現れた。
蓮月（Vo/G）・みのり（Ba/Cho）・ボリ（Dr）から成る、大阪発スリーピースバンド、ブランデー戦記。
結成は今年8月だが、今月1日にYouTubeにて楽曲を発表＋ライブは夏に1回なので、実質活動1ヶ月未満。
TikTokアカウントもない、Apple MusicやSpotifyでも未配信の超新人だ。
ただ、今月発表された楽曲「Musica」が訳のわからないバズり方をしている。
この曲は現在YouTubeとEggs(インディーズ向けプラットホーム)のみで視聴可能。
YouTubeは公開1週間で1万回再生、現在3週間が経ち70万回再生を突破。
ちなみにこの伸び方、Tani Yuukiの大ヒット曲「Myra」「W/X/Y」を超えている。
チャンネル開設も今月頭だが、3.1万人の登録者を獲得。この伸び幅はここ1ヶ月のなとり（代表曲「Overdose」）よりも多い。
Eggsではデイリー・ウィークリーランキングどちらも1位。しかも楽曲・アーティスト部門両方。
活動開始まもない新人バンドが、なぜこれほどの広がりを見せているのか？
ブランデー戦記を見つけた人は、口を揃えて「YouTubeのおすすめに出てきた」と言う。
0秒イントロ・冒頭とサビのパンチライン・フィルムカメラ風の映像。トレンドを押さえた要素が満載の作品は、スリーピースらしい軽快なサウンドと低めの女性ボーカルがとても心地よい。
ここからが本番。
プレイリストに追加しようとして検索しても出てこない。とりあえずYouTubeでリピートする。
どうやらサブスクにはないらしい、またYouTubeで聴く。
こうしてハマった人が何回も再生回数を稼ぎ、まだ見ぬ誰かのおすすめに載り、そこでも新しいリスナーが生まれる。
おそらくそういった無言の口コミで、ブランデー戦記の「Musica」は多くの人に届いているんだと思う。
TikTokで調べても出てこない、しかも最近活動を始めたバンドを見つけてしまったときの喜びと言ったらない。
「私は〇〇の頃から知ってるけどね」なんてありがちな優越感が刺激されてしまいそうだ。
誰でもアーティストになれてどこでも作品を発表できるようになったこの時代に、限られた場で思いもよらぬバズり方をしていることに魅力を感じずにはいられない。
もちろんバンドそのものの魅力があってこそのバズり。
私の周りにも、大絶賛で毎日聴いている友人が何人もいる。
来年から本格的にライブ活動も始めるということだ。
2023年、間違いなく目を離せないバンド。
ロックバンドの時代は過ぎ去ったなんて言われる中で、こういったムーブメントはかなり嬉しい。
カウンターでもなんでもいい、ロックバンドは絶対数年以内にまた旋風を巻き起こすって信じてる。
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