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人間味と弱さと一緒に、ミセスが帰ってきました

2022.7.8 ぴあアリーナMM
Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia”


Mrs.GREEN APPLEの弱さを見た。
都合よく解釈してしまえば、弱さを曝け出してくれた。


ポップで爽やかなパブリックイメージに対して、その実、風刺的であったり暗い根を持ったりするのがMrs.GREEN APPLE……

というのがフェーズ1までの話。


こんなにも人間らしいバンドだったっけ。

最初のMCから泣いたせいで鼻声、最後には顔ぐっしゃぐしゃにして感謝を伝えてくれた若井くん。

あの優しい表情で涙を堪えてる様があまりに2年間の長さを感じさせたよりょうちゃん。

表現者としてまた腕をあげてきたかと思えば、ステージで泣くことができたんだねもっくん。

3人から紡がれる言葉は、伝わってくる思いは、今日まで待っていた人たちに向けた感謝しかなくて。


コロナで音楽業界が止まって、ライブが当たり前じゃなくなった頃の感覚を思い出した。

今は声が出せないことにばかり目がいきがちだけど、あの頃はそもそもライブ自体がなかった。

少しずつライブやフェスが戻っていく中で、Mrs.GREEN APPLEの帰りをずっと待っていて。


彼らの音楽だけは、この2年半、いつもiPhoneの中にあった。


サブスクで今までのシングルやアルバムを擦りに擦りまくって、好きな曲増えちゃったりして。

バンドとしてもファンが増えて、本当に活動休止してるのかたまに怪しくなったりして。


でも今日確信した。
今日、本格的にフェーズ2が始まった。

サブスクの普及で新譜も過去作も関係ない時代だけど、やっぱりライブに勝るものはない。

デビュー曲「StaRt」で"ただいまーーー!!"と叫ぶもっくんを見て思った。

本当に帰ってきたなって。


今までのミセスのライブは、コンセプトや表現力が凄まじくてある種台本があるような完璧さがあった。

ただ今日は違った。バンドマンというか、もっくんとりょうちゃんと若井くんがステージにいた。

3人の苦しみや寂しさ、なにより喜びと幸せが前面に全面に出ている2時間半。

音源では決して味わえない、声の上擦りや目の潤み。
そんなものが詰まったライブだった。


もっくんが真面目に向き合い過ぎて苦しくなって休みたいってなったあの日から、社会もバンドも自身もたくさん変化して崩れただろうに、また戻ってきてくれてありがとう。

フェーズなんてのはただの括り。
今までもこれからも、ミセスの活動を見届けられることが誇りです。

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