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世界物流革命が起きた日と標準規格の強み

挨拶

 現代社会で重要な物流産業ですが、その物流産業を支える仕組みが整えられるきっかけとなった日を知る人は少ないと思うので、記事にします。

歴史

 1956年4月26日にIdeal X(アイデアルエックス)というリバティー船が大西洋を渡りました。この船の外見は普通ですが、違いはその積荷です。そうIdeal Xには「コンテナ」が積まれていたのです。驚く方もいるかもしれませんが、それまで輸送船の積荷に標準的な搭載容器が決められておらず、荷物の積み込みと荷下ろしで非常に多くの時間がかかっていました。「ばら積み」と呼ばれるこれは個々の貨物を繰り返し荷役作業をしていた為であり、これを変えたのが実業家のマルコム・マクレーン氏によって作られた「コンテナ」です。Ideal Xが標準化された大きさのコンテナの実用的な運用を実証され、1トンの重さを積む際にかかる人件費が36分の1で済み、積載量も増えるだけでなく、積載重量の推定もしやすくなりました。分かりやすく言い換えると、より少ない費用で多くの積荷をより安全に運べるようになったということです。コンテナ輸送の効率の良さは次第に広まり、他の輸送船も同コンテナ輸送方式を導入するようになり、現代にまで至ります。

標準規格の強み

 物流ではコンテナ輸送という標準化された規格に沿って、利便性が向上しましたが、他の産業でも似た現象は起こります。近年、IT産業におけるオープンソース化による1つの開発環境を基準とした成功が多くみられます。特に、スマートフォンの「Android」ブランドはこの傾向が顕著です。最初は競合の「iPhone」におされていましたが、スマートフォンの技術的な進化とともに「Android」には多くの開発先が集まり、世界での「Android」スマートフォンの数は「iPhone」を凌駕するようになりました。標準化された規格には普及力で決定的な違いがみられ、最終的には標準規格が生き残るケースが多いです。

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