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MRIの検査結果を聞きに行く〔卵巣腫瘍+開腹手術 道々の記⑤〕

検査結果が出揃いはじめる

MRI検査から5日後の 11月12日(金)の夕方、見慣れぬ電話番号から留守番電話の履歴が残っていました。メッセージを確認すると、レディースクリニックから!「MRIの検査結果が届いたので、明日以降、いらしてください。明日は土曜日で予約が必要ですが、平日は予約なしでも大丈夫です。」

所用を終えて帰宅すると、人間ドックの検査結果報告書が届いていました。検査から2週間余りで届いたことに意表をつかれ、ドキドキしながら内容を見ると…

医療機関を受診し、精密検査を受けてください。
・腫瘍マーカー(CA19-9)が高値です。
・婦人科の内診にて、卵巣腫瘍を認めます。
経膣超音波検査けいちつちょうおんぱけんさで、卵巣腫瘍を認めます。

…となっていて、ヒヤリとしました。CA19-9は、消化器系で受けた腫瘍マーカーの一つだったのですが、他の検査では、胃も大腸も肝臓・胆嚢・膵臓も問題なさそう。子宮頸がんの検査も陰性で、やはり問題は卵巣腫瘍か。。。

婦人科医師のコメントには「診察上、巨大な卵巣腫瘍を認めます。悪性の可能性も否定しきれません」とあります。

レディースクリニックからMRIの検査結果を聞きに行く件で電話が入った同じ日に、予想外の速さで人間ドックの結果が届いた巡り合わせ。しかも、夫が出張で不在の期間でもあり。これは、本当に、私自身で肚をくくって覚悟しないと…と、ひしひしと感じた夜。

週明けに検査結果を聞きに行くまでの間、もしも卵巣癌らんそうがんだったら…との想定で、この先、診察を受けに行くべき(紹介状を書いていただく宛先の)病院について、もう一度調べ始めました。

レディースクリニックに検査結果を聞きに行く

MRI検査から8日目の2021年11月15日、仕事帰りの早めの夕方に、レディースクリニックへ、MRI検査の結果を聞きに行きました。診察室に通されると、院長先生がMRIの画像をPC上で開いて待っておられ、画像の見方と診断書の医学用語について説明してくださいました。MRI画像診断の所見のまとめとしては…

・13cm大、脂肪成分含有の左卵巣成熟嚢胞性奇形腫せいじゅくのうほうせいきけいしゅ
・悪性を疑うような充実性成分は見られない。
・子宮に異常は認めない
・撮像範囲に有意な腫大リンパ節はない。
・腹水はない。

…ということで、「良性なんだ!?」とホッと胸を撫で下ろしたくなったのも束の間、先生は、先日調べた卵巣の腫瘍マーカーの結果を示されました。

CA19-9の他に、CA125もかなりの高値。卵巣腫瘍の大きさも考えると、画像診断だけでは良性とは判断できない。卵巣腫瘍は、最終的には摘出して病理検査をしてみないと、良性か悪性かの判断はつかない。

…と、さっそく、「みちさんのお宅から最寄りのがん専門病院宛に紹介状を書きますが、いいですか?」と畳み掛けるように問いかけられました。

紹介状を書いていただく

この院長先生の出身の大学病院を紹介されるのかな…なんて想像していた私は、我が家の近くのがん専門病院を紹介されることになるとは、夢にも考えていなかったので… 意表をつかれて頭が真っ白になりました。でも、なんとかこの週末にリサーチしていた内容を思い出し、しどろもどろになりながらも、「もし悪性だったら…がん研有明病院や国立がん研究センターの方がいいのではありませんか?」と質問してみました。

「確かに日本の癌治療では、どちらも最高峰の病院ですが、卵巣腫瘍の治療方法は国のガイドラインで決まっていて、どこでも一緒です。そんなに難しい手術でもないので、はっきり言って、先生方の卵巣腫瘍の摘出手術の腕前に大きな差はありません。それよりも、この先、1~2度通院すれば済む話ではないのだから、ご自宅に近い病院の方が何かと良いと思いますよ。癌じゃなければラッキー!と思えばいいんだし。」と、院長先生から、サバサバと諭されて、、、

…やっぱり、現実的に考えれば、それはそうかもね…と気を取り直し、先生のおっしゃる通りの病院宛に、紹介状を書いていただくことにしました。

「こちらでできることは、これまでです。どうぞお大事に」
院長先生のにこやかな笑顔とお言葉に送り出されて、診察室を後にしました。

この日のおまけ…ちょっと一悶着

紹介状とMRIの検査画像の入ったCDを手に、クリニックの入っている雑居ビルを出ると、出張帰りの夫が待っていてくれました。外はすっかり日が暮れて暗くなり…近くに見つけた洒落たレストランで、2人で食事をしました。

夫は、私のこれから先の病院の受診や入院手術の際には付き添うつもりでいてくれて、週末に(夫は出張先から)メッセンジャーで相談しながら病院の候補を考えていたのに… 私がさっさと先生のおすすめの病院宛に紹介状を書いてもらってしまった、と、腹を立てていましたが(汗)。

「あなたの付き添いやお見舞いの労力を考えてみても、近い病院の方がいいよね。万が一、悪性で、手術後に化学療法が必要と言われたら…その時は、あらためて、セカンドオピニオンを考えてもいいし…」と話すうちに、だんだん冷静さを取り戻し、それもそうだね、と納得してくれました。ホッ。

食後に、2人で夜景を眺めながらそぞろ歩いて、それぞれに長かった1日の想いを抱えて家路につきました。(つづく…)

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