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読みながらお寿司に詳しくなれる!? 寿司マンガの名作『江戸前の旬』

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掲載作品の中でも特におすすめの作品を紹介してまいります。今回はシリーズ発行部数1,500万部超でドラマ化もされた名作「江戸前の旬」(原作:九十九森、劇画:さとう輝)をご紹介します。

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改めて考えてみると握り寿司ってすごい。「江戸時代のファストフード」といううたい文句は有名だけど、以降、すたれるどころかさらに隆盛を極めているのだから。

本作の舞台となる「柳寿司」は銀座の老舗店……とはいえ、ビックリするような高級店ではなく、わりと親しみやすいお値段の模様。主人公の柳葉旬は「柳寿司」の三代目。親方である父・鱒之介のもと、「江戸前」のこだわりを学びながら日々修行に励む身だ。冒頭では若干20歳の駆け出しで、生意気な口を叩いてお客さんを怒らせたり、親方にブン殴られたりすることも。だが、勉強熱心で魚の目利きと包丁さばきはすでになかなかのもの。親方の口癖「魚に惚れて惚れて惚れぬいちまえ」を心に刻み、お客さんに「本物の江戸前寿司」を供する職人を目指して奮闘中だ。

「江戸前」とは、ざっくり言うと握り寿司を中心とした、江戸発祥の寿司のこと。関西で生まれた「押し寿司」に対しての呼び方だ。とはいえ、握り寿司ばかりではない。印籠詰め(イカやタケノコなどに酢飯を詰める)、昭和のはじめに生まれた軍艦巻き、ちらし寿司、それから海苔巻きも。

 そう、本作でハッとしたのがかんぴょう巻きのエピソードだ。「寿司屋でのり巻きを頼むのって、なんだか子どもっぽい?」と思っていたが、これは大きな誤解なのだそう。なんとかんぴょう巻きは、江戸前では「巻物の王様」と言われ、かつては鉄火巻きやネギトロ巻きなどより格上だったとか。なんて、だれかにしゃべってみたくなるエピソードが満載だ。
真鯛、アナゴ、カツオ、イワシにウニとお馴染みのネタはもちろん、ソゲ、クエ、トキシラズなど耳慣れない名前も。
コノシロの幼魚であるシンコは体長わずか4〜5cmだけれど、親方いわくこれを6〜7月の走りの時期に入れなきゃ江戸前の名がすたる⁉︎ う〜ん、いつかは食べてみたいものだ。ヅケや酢締めといった、冷蔵庫がない時代からの調理法なども興味深く……素材の一つ一つ、それから女性客がたびたび「宝石みたい!」と絶賛する寿司の美しさも緻密に描きこまれていて、ため息モノだ。

親方は江戸前の伝統にこだわりを持ってはいるが、決して頭の固いガンコ者ではない。化学調味料は使わないなど譲らないところはあっても、現代人の舌に合うための工夫は惜しまない。厳しくも、ときに鷹揚に息子を見守る親方の目線は、必ずしも伝統に執着するのではなくその「心意気」を大切にすること、そして手間や努力から逃げないことを教えてくれるのだ。

柳寿司を訪れる様々な人々、ネタの数々を通し、食文化が与えてくれる豊かさを存分に味わえる作品。食材の性質を知り尽くし、食べ頃を見極め、調理法に趣向をこらす職人が語るウンチクもたくさん……いや、我々はすべてを覚える必要はないんだけれど。知識は、決して感性の邪魔にはならない。知識を道しるべに、ちょっと「違いのわかる人」になれたらいいではないか。

書き手:粟生こずえ

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