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なぜパーチメントのあれは大ごとになったのか

どうも、諸事情により記事を執筆をストップしていました。ゆーすけです。
久しぶりに投稿してみようと思います。

皆さんはハンスル・パーチメントという選手をご存知だろうか。
東京五輪の際にバスを間違え、スタッフにタクシー代を借り、金メダルを獲得した男子110mハードルのジャマイカ選手である。
そのタクシー代を貸したスタッフは後日ジャマイカ大使館に招待され、ジャマイカへの旅行がプレゼントされることとなった。(NHKの記事

ざっくりいえば「人助けによって金メダル」という出来事なのだが、それで大使館まで動くのはいささか大げさではないか、と感じた方は少なくないだろう。
しかし、それには理由がある。これから紐解いていく。

理由その1:エースの代表落選

理由の1つ目はエース、オマル・マクレオドの代表落選である。

マクレオドとは

マクレオドはリオ五輪の金メダリスト、すなわちディフェンディング・チャンピオンである。
その年、ドーハ世界陸上金メダリストグラント・ホロウェイ(アメリカ)との2強状態を形成していた。
世界陸連のサイトを基に2021年の東京五輪前までの記録上位10個を整理するとこうなる。

ホロウェイ 12.81(世界歴代2位)
ホロウェイ 12.96
マクレオド 13.01
マクレオド 13.04
泉谷 13.06
ホロウェイ 13.07
マクレオド 13.08
レビー (ジャマイカ)13.08
ホロウェイ 13.08
ブロードベル(ジャマイカ) 13.10

https://www.worldathletics.org/records/toplists/hurdles/110-metres-hurdles/outdoor/men/senior/2021?regionType=world&timing=electronic&windReading=regular&page=1&bestResultsOnly=false

これだけ凄まじい戦績を残していたのだから、期待も高まる。

ジャマイカ選手権

しかし、ジャマイカ選手権で8位となり落選した。なぜか。
それはアクシデントがあったからである。
直後に本人が「レース直前に足がつってしまったが、役員が進行を遅らせなかった」とツイートしていた。(既に削除済)

これだけを書くとただのわがままな人に見えてしまうが、例の感染症の影響で急遽決勝が前日の夜から翌朝に延期になった経緯があるということを付け加えておく。
こうしてジャマイカは金メダル候補を失ってしまったのである。

筆者注
国によって世界大会上位入賞者の優遇措置がある場合がある。(世界陸上オレゴンの代表選考におけるフランスなど)
しかしながらジャマイカは優遇措置はなかった。

理由その2:大本命を抑えた

そうした中金メダルを獲得した。
全米選手権準決勝で世界歴代2位のタイムをたたき出した大本命、ホロウェイを抑えて。
これが2つ目の理由だ。

自分はホロウェイが負けることは想定していなかったし、
世界新記録で優勝することを信じて疑わなかった。
準決勝までのホロウェイはそれほどまでに絶好調だったのである。

理由その3:棚ぼたの代表選出

この2つでも足りない気がする。
では3つ目の理由はどうだろうか。
パーチメントが棚からぼたもち的代表選出だったからである。
1か国3人までの出場枠制限のある中、本来ならばマクレオドはほぼ確定選出されるはずだった。
そして残り2枠を争うはずだった。
しかし、マクレオドが8位だった。
ということは本来の4番手の選手が3位となり、代表に選出されたことになる。
そのジャマイカ選手権3位に滑り込んだ男こそパーチメントであった。


この3つの理由に人助けという要素が加わったから、カリブ海に浮かぶ小さな島国は大騒ぎとなったのである。
乗り物の行き先を念入りに確認をするようにしましょう。

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