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推しを語る③飯澤千翔

いよいよトラック&フィールドのシーズンが始まりました。
というわけで「推しを語る」(語らない)第三弾です。
今回紹介するのは、大阪世界陸上の小林史和さん以来、16年ぶりの男子1500mの世界陸上日本代表となりそうなこの選手です。


選手の紹介

名前:飯澤 千翔(いいざわ かずと)
伊勢原中→山梨学院附属高→東海大→住友電工
2001年2月2日生まれ

中学、高校時代も全国トップクラスの選手だったものの、とびぬけた存在ではありませんでした。
申し訳ないですが、自分の認識としては「付属高校なのに山梨学院大に行かないのかあ」という程度でした。
しかし、大学に入るとトップクラスの中距離選手に成長しました。
1500m3分36秒55の日本歴代2位、1マイル3分56秒01の日本記録を持っています。

主な実績は以下の通りです。

1500m
アジア室内選手権優勝(2023年)
日本選手権優勝(2022年)
日本インカレ優勝(2019年、2022年)
関東インカレ優勝(2019年、2022年)
800m
日本インカレ優勝(2021年)

きっかけ:2019年4月

飯澤選手が大学1年の4月の記録会です。
当時の1500mは4年生の館澤享次選手が無敵状態でした。
館澤選手は日本選手権で2連覇しているほどです。
その選手に1年生だった飯澤選手は勝ったのです。
驚きでした。
館澤選手が流したのかと思いましたが、そうではありませんでした。
スパートの切れ味が抜群な選手が現れました。
さらにそこから4連勝します。

2019年の2人の対戦成績。左が館澤選手、右が飯澤選手。世界陸連HPより

(なお、館澤選手は後日足の骨折が判明して、箱根駅伝6区までレースに出場できないことになります。なんで走れてんねん。)

なぜ推すのか

なぜ飯澤選手を推しているのか。
それはこのレースを見ないといけない、見逃してはいけないという一種の恐怖心からです。
飯澤選手は他の選手より一回り体が大きく、スピードがあります。
じっと集団で待機してレースを支配する。
そしてスパートで抜け出す。
サングラスをしていることもあってか、
獲物を睨み付ける猛獣のような覇気があります。
それに自分は恐怖心を覚え、釘付けになるのです。

1500mという種目

本来1500mという種目は、陸上競技で最も人気であるべきだ、と私は考えています。
なぜなら、数分なので中だるみしにくく、かつ駆け引きがあるからです。
競馬のようなものだと考えていただければ分かりやすいと思います。

しかし、日本はトラック競技では1、2を争うほど人気がありません。
なぜなら、そこが日本選手が一番弱い&海外が強い種目だからです。
ではなぜ弱いのか。
単純です。日本では稼げないからです。

中距離選手は長距離選手とは違い、駅伝という競技継続の受け皿がありません。
したがって、競技で食って行ける保障がありません。
フルタイム勤務しながら選手もいるくらいです。
そんな情報下では。継続できたとしても合宿をなかなか組むことができず、スピードが失われやすい状況になります。

飯澤選手はそれを打ち破ってくれる存在だと思います。
3000m障害における三浦龍司選手のようにです。

飯澤選手は調子の波は激しいですが、良いときには1位で帰って来ます。
それがうまくはまれば、世界でも上位に行ける気がするのです。
(あくまで個人の感想です)

おわりに

世界陸上における1500mの参加標準記録は前回よりかなりあがりました。
飯澤選手は自己ベストを2秒以上更新することが必要です。
ただ、世界陸連のScoring Tableに基づけば、今年2月に樹立した1マイルの日本記録は、世界陸上ブダペストの参加標準記録に匹敵するものです。
代表となる「その日」は確実に近づいています。

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