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僕らが対峙している社会問題は何なのか?

遠くの誰かのためではなく、目の前の大切な人のために自分の仕事があるようにする。

と、強く心に決めてから、目の前にいる人たちの困りごとに応え続けてきました。

ゴミ拾いや落ち葉はき、商店街の街路灯のフラッグの交換、掲示板へポスターの掲示…さまざまな困りごとに応えます。

そういった中でまず感じるのは「高齢化」です。
テクノロジーの進化のスピードとのギャップが生む、デジタルディバイト(ネットやスマホを利用できる者と利用できな い者との間に生じる格差)であったり、孤独問題があります。

また、少し踏み込むと「若者が活きる場がない問題」もあることに気が付きます。

活きる場がないと鬱や学習性無力感などにつながります。

学習性無力感とは、「自分の行動が結果を伴わないことを何度も経験していくうちに、やがて何をしても無意味だと思うようになっていき、たとえ結果を変えられるような場面でも自分から行動を起こさない状態」のことをいいます。

第3回 やる気のない無気力な子 ――学習性無力感(Learned Helplessness) 光村図書出版株式会社

僕の時代から比べると今の時代は、選択肢に溢れ、安価でも性能がよい商品が手軽に手に入り、とても恵まれたように感じてしまいます。

しかし、実際のところは、終身雇用が崩壊したことで大人たちも路頭に迷い、正解やロールモデルのない中で自己責任でやっていかなくてはならない、というとても酷な時代なんだということに気付かされます。


他にも商店街、町内会の担い手不足。

核家族化や不景気による社会の変化により、余剰人員が個人商店にはないこと、また、町内会については、マンションの増加や恐らく引っ越しの市場化によって近所関係が希薄化し、新規加入者を募ることができず、次の世代に引き継いでいけません。

10年、20年…それ以上と会長、役員をやり続けている方がほとんどで、しかも辞めたくても辞めれない状況に陥ってしまっています。

特に町会は、共に長くやってきた仲間に、辞めて欲しくないという感情が働いてしまい、総会で辞職の賛成が得られません。


といったように、さまざまな社会課題が地域に溢れていることを知るわけですが、もっともっと掘り下げていくと、これらを解決できる仕組みがなく、人材も不在。これこそが大きな社会問題だということに気が付きます。


もしかしたら、行政の存在が頭に浮かぶかもしれません。

確かに彼らもそこに危機を感じ、ヒアリングも積極的に行うようにはなってはきています。しかし、やはりアウトプットとしては補助金を出すということに留まってしまい、その活用は現場任せになります。

しかし、これはある意味正しいことでもあると僕は考えます。

なぜならば、行政の手で全てを行ってしまうと、地域力はますます低下してしまい、かつ公正さを保つためのつまらないルールがどんどん必要となってきてしまうでしょう。

…強いていうならば、高みの見物とならぬよう、一人の住民として地域に参加する機会をもっと持ってもらいたい…と、願っていますが、やはり役割の範疇としては、ここまでにはなってしまうかな、と思います。


では、現代においてどんな仕組みがあれば、これらの課題解決につながってくるでしょうか。

次回以降で深掘りしていきたいと思います。


続く


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