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#3 - Forever Friends

あれは忘れもしない中学生の時、「世にも奇妙な物語」の後番組で「if もしも」というドラマが始まった。
「世にも・・」同様3話のオムニバスで、人生の岐路に立たされた人間がどちらの道を選ぶのか?そしてどちらの結末も描く、という内容だった。どちらかが幸せになったり、どちらも不幸に終わったり、その選び方や結末を楽しみにして観ていた。

そんな中で放送された岩井俊二監督の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、ドラマの域を超えた映像美とセンチメンタルな郷愁あるストーリー、そこに美しい音楽が流れるという、1秒足りとも目が離せない吸い込まれるような短編ドラマだった。そのラストシーンで流れていたのが今回カバーした「Forever Friends」である。
その後、映画「undo」「Love Letter」「PiCNiC」など、必ず映画館で観たいと思わせるような作品が公開され、「スワロウテイル」で一気に一般的な人気も獲得したのではないか、と思われる。

全ての作品に流れる音楽がとても美しくCDが欲しいとずっと思っていたのだが、今のように検索したらすぐ分かる、という時代でもなく、そもそもこの曲を誰が作っているのかも分からなかった。
高校生になった私は、今思えばどうやってそれを調べたのか ”REMEDIOS” という個人かグループかも分からない読み方も分からない人が担当していることだけを知った。そして友人達にCDショップで一緒に探し回ってもらったという思い出がある。高校の時はとにかく「Forever Friends」が聴きたかったので、”REMEDIOS”名義でのシングルなりアルバムなりが発売されているのではないか、と勝手に予想しており、サントラCDを探すという頭が全くなく、ワールドミュージックのコーナーに行ってみたりもした。

そしてサントラを買えばいいのか!と気付いたのは、もしかしたら高校卒業後に東京に出てからだったかもしれない。「スワロウテイル」の人気でそれまでの作品のサントラもCDショップに並んでいたりしたのだろうか。買った時の記憶は一切ないが、どうにかこうにかCDを入手することに成功したのである。

それから数年後、25歳になった私は音楽活動での紆余曲折の末、遂にピアノ弾き語りを始めることになる。
しかし、ピアノを弾くことに7年のブランクがありそれまで作った曲は弾き語りには昇華出来ず、あれこれ悩んだ結果ピアノ弾き語り初ライブで「Forever Friends」をカバーすることにしたのである。
当時「トロイ」という映画が公開されたばかりで、旧新宿コマ劇前にトロイの木馬の巨大オブジェが作られ、その前でライブをするというイベントに出演した。ほとんどの人達がただ通りすがる中、ホームレスのおじちゃん達が休憩と暇つぶしの為に椅子に座って観ているという環境でライブ中には強い風も吹き荒れ、マイクに「ゴォォォォォォォ」という音が乗るという非常にシュールな初ライブになってしまった。しかし私はあまりにも緊張していたので何も覚えていない。(でもビデオが残ってるんですよ、、怖くて観れない。笑)

そんなこんなで、初めて聴いた瞬間から今に至るまで「Forever Friends」とはとても長いお付き合いなのだ。
きっとタイトル通り、永遠に好きでい続けられる楽曲だと思っている。

三日天下session #3 - Forever Friends

オリジナル


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