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うみのむこうのそのまたむこう 2020/11/22 Sun

 こんにちは、葛飾区亀有にある「絵と言葉のライブラリーミッカ」のスタッフ、坪内です。

 先日、11月のシアターイベント「うみのむこうのそのまたむこう」を開催しました。10月に行った「うみのむこうのそのまたむこう」と読む本を少し変えて、こんどはアフリカの子どもたちにまで想いを馳せて頂けるような構成にしました。アフリカが日本からはとても遠く、赤道に近く暑い国だということを地球儀を使ってみんなで確認してから、アフリカの音楽に乗ってお話しは始まりました。

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1冊目 「そのこ」(晶文社)
作: 谷川 俊太郎  絵: 塚本 やすし

 アフリカのガーナの子どもたちのようすをシンプルかつビビットに描いた塚本やすしさんの絵に谷川俊太郎さんの力強いメッセージが添えられています。読み終わったあとに作品のなかでこどもたちが毎日運んでいるカカオポッドの実物を見て頂きました。初めて目にされる方も多かったのではないかと思います。ゲームをしながら何気なくつまんでいたチョコレートが大切に見えてきて大事に食べたくなる、そんな気持ちにさせてくれるようなお話でした。


2冊目「そらいろ男爵」 (主婦の友社)
文: ジル・ボム  絵: ティエリー・デデュー  訳: 中島 さおり

 軽快なトランペットに乗せてちょっとむかしの古き良き時代をイメージして頂きながらお話に入りました。そらいろのお気に入りの飛行機で、大空を飛び回ることが大好きな〝そらいろ男爵〟。鳥を眺めることに至福の喜びを感じている男爵も、ついに戦争に巻き込まれてしまいます。

 お話の中で、そらいろ男爵は飛行機からいろんな本を投げて敵を攻撃します。最終的に、争う人々が本に夢中になることで争いが終わり、男爵は勲章をもらうのですが、「そもそも武器に本をつかうのってどうなんだろう?」「私たちはご褒美や勲章を貰うためにいいことをするのかな?」という疑問ものこるお話です。お話の世界のことが、全て受け入れられるわけではありませんよね…。でも、疑問に思う気持ちはとても大事だと思うのです。

 これからもみなさんと様々な本をいろんな角度から読んでいきたい、とあらためて思った場面でした。


3冊目「おなじそらのしたで」 (ひさかたチャイルド)
作・絵: ブリッタ・テッケントラップ  訳: 木坂 涼

「次の本にはおなじことばがなんども出てきます。よかったらこころのなかでつぶやいてみてくださいね」と前置きして読み始めました。
 この本にはちょっとした仕掛けが施されていて、くり抜いた雲形の窓からページをまたいで同じセンテンスが繰り返し投げかけられています。ことばは幾重にも重なり、そこには作者の「みんなの せかいの ために」というメッセージが込められています。

ぼくたちはみんなおなじそらのしたでいきていて、遠く離れていても海を介して繋がっているんだ、同じ太陽や同じ月を見上げているんだということを感じて頂けたのではないかと思います。声に出してみなさんと読める日が来たら、いつかきっとまたこの本をご紹介したいと思います。

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 私たちが生きている、矛盾だらけの世界。いろんな国のいろんな人の状況についてみなさんと考えたいと思って始まった企画でした。

うみのむこうのそのまたむこうのひとびとのくらしを考えること、いままでどんなくらしがあったのかを考えること、これからもみなさんとご一緒に絵本を通して考え、感じていくことができたら、こんなに嬉しいことはありません。

ミッカスタッフ 坪内明美

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絵と言葉のライブラリーミッカ


絵と言葉の本だけを集め、ライブラリー、シアター、ギャラリー、アトリエを内包した子どものための小さな図書館。



【住所】東京都葛飾区亀有3-26-1 リリオ館7F


【アクセス】JR常磐線 亀有駅南口 徒歩30秒(東京メトロ千代田線直通)
【開館時間】10:00~17:30


【おやすみ】月曜、第4木曜(祝日の場合は翌日)


【Tel】 03-6662-4315


【入館料】こども(小学生以下)無料/中高生・保護者 200円


※16歳以上のみでの入館はできません。お子さまと一緒にお越しください。

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