縁と信頼残高
「縁を感じることと信頼残高について」
今月のテーマは「縁」を感じるというテーマで少しお話をしてみたいと思います。仏教では「縁起」を大事にしています。すべては「縁」によってそこから様々なことが発生しているということになります。こうしたSNSもその縁というネットワークの中で行われています。網の目のようなネットワークの中でこの投稿を読んで頂いたまさにご縁に感謝申し上げます。
すべては「縁」にあると考えるのがお釈迦様の教えで、すべてはつながりにある、というのがその教え。人間の身体さえ、もろもろのつながりがあって生命となり生きている。自分の意思ではどうにもならないつながりある。コンピューターもAIもそうしたつながりの産物。ロボット博士が仏教を学ぶというとのはとてもよく分かる。
だから一つひとつの「縁」を大事にすることはとても大切だと思います。4月から職場が変わり、入学、就職等の変化があったと思います。最近気になるのは就職して自分の希望と合わないことで簡単に1,2か月過ぎたところで就職した企業を辞めるという話がある。就職の際には希望した内容と違うのかもしれないけれど、当初の希望職種について期待する能力を発揮できるかは別問題ということもあります。
石の上にも3年、という言葉は古いのかもしれませんが、一度できた縁を通して、自分を見つめる1,2か月で辞めるというのはもったいない気がするのだけれどどうだろう?入社してどうにもブラック企業だとしたら別ですが、いきなり縁を離すことは少し抵抗ある気がします。
縁が生まれて、その縁を通して、期待がかけられる。その期待に応えることを通して「信頼」が生まれる。信頼残高のお話ししますと、人は親子夫婦、友人同士、職場での上司と部下、お互いに意識するしないにかかわらず期待をかけあっています。その期待に相手が応えてくれたら嬉しいと思う。そうするとその相手との関係において信頼の残高が上がることになる。だから関係も良くなると言うことになる。しかし、人間だからいつもそうとは限らず、応えられないこともある。応えられないと残高が引かれることになる。貯金通帳と一緒。
仲良しの夫婦は、おそらく、その案配が良いのだと思います。いつも相手のニーズに応えることは難しいし、ほどよい所でバランスを取っているのだと思います。仲の悪い夫婦、仲の悪い関係は、お互いに残高を高め合うより、引き出し合っている。お互いに欠点短所を指摘しあって、どんどん引き出し合って最後は残高ゼロからマイナスとなって破局となってしまう。
人間関係はすべて、相手に対する期待からなりたっています。それに応えることが出来れば良い関係になります。恋愛期間は相手のニーズ以上のことを試みてサプライズをして恋愛感情を高める、いわば愛情残高がピークになって結婚となる。
すべての関係において同じ事が言える、だから、少し相手の期待に応えることを意識しながら残高をあげて良い関係づくり、そこから、縁は不思議とつながっていく。逆もある、残高を下げてしまって、それも縁のネットワークの中で広がっていくこともある。今、ネットの時代、誹謗中傷の投稿削除について全国の医師60名がGoogleを訴えたニュースが流れている。誹謗中傷で不特定多数の人から、残高が引き出されてしまうと営業権の妨害となってしまうことは確かにあるものです。
縁と信頼残高と言う見方、どうでしょう。縁は生きている限りついてまわります。一度出来た縁に意味があると解釈して無駄にしない、ということは、とても大切な気がする。そして、その縁において信頼残高をあげてみる。具体的に行為として考えると、笑顔で挨拶をする、声をかける、相手のことを理解する、話を聴いてみる、困ったことを相談する、あるいは相談に乗ってあげる、良いことはほめる、そうでないことは助言してあげる、こうした日常の行為を考えて見ると良いと思います。その結果として心の貯金通帳の残高が上がる。
日常の行為、相手の期待に応えながら信頼の残高を上げ、その縁に報いてより良い人生を送りましょう。反面、ネット社会の縁によって詐欺のような行為も横行しているので、悪いモノを見分けることも大切だと感じます。
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