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プレゼンの勝敗を決めるスライド「与件整理」の大切さ&書き方

 実は時々、「プレゼンテーション資料のコンサルをしてほしい」という話をいただいて、レビューをして戻すなどをしている。というのもコンペ案件において一定の戦績があることから、自らプレゼンのコンサルをやってるので案件ください!と言いまくっているわけではないのにも関わらず、ご相談が来る。

正直、めちゃくちゃうれしい。

コンサルをしている中で「抜け落ちてるから必ず入れてください」と指摘するスライドはタイトルの通り【与件整理】のスライドである。

いったい「与件整理(よけんせいり)」ってなんなのさ?

 字のごとく「与えられた要件を整理して確認するスライド」にあたる。クライアントから言われた要望をコンパクトに整理し、叶えるべき条件を明示するページにあたる。僕はこれを「魔法のランプのおまじない」だと思っている。このおまじないに成功すると、高確率で最高の提案(ランプの魔人)が生まれる。

大切さを示すならば、プレゼンテーション全体を食べ物の「ペペロンチーノ」だとしたら、ニンニクにあたるものと言っても過言ではないほどに、大切な要素。ないと味が決まらない、というか成立しない。それくらい大切なスライドである。

過去に勝利したプレゼンテーションでは全てにおいて与件整理のスライドが入っている。位置としては目次の次程度。

「今回は〇〇の提案にきました。よろしくお願いします。今日話す内容はこの通りです(目次を見せる)。では始めに【与件整理】です

と、ほぼ冒頭に出現してくる。

そろそろ「いい加減どんなものか見せてくれ」とクレームが寄せられそうなので、なんとかしようと思う。が、どうするか。

勝手にnoteのディスプレイ広告のバナー制作提案をできるものとして、与件整理のスライドを作ってみる。

試しにつくってみる

 そもそも与件整理はクライアントの発言(オリエン)なりRFP(提案要望書)があってこそ書けるものと、初めに言っときます。ちなみに、何にもない場合は、一方的な提案もしくはブラックな丸投げなので、案件として頑張るのか見切りをつけるのかは任せます。

軽いオリエンがピ社からあったとしたら、恐らくこんな感じでしょう。

「あーすんません来てもらっちゃって。ちょっとウチの方でnoteの認知を広げる上でディスプレイ広告考えてるんですが、戦略部分まで考えてバナーデザインできる方を求めてて、できればABテストまで提案して貰いたいなって思ってまして。コピーとか含めてお願い出来たりしますか? 取り急ぎポイントとしては「まだそもそも『noteって何それ?』って人を対象にコミュニケーション張りたいんすよ。絶妙にアーリーアダプターがいまメイン層でキャズムの谷というか壁を越えたいなと思ってて。特に芸能人とかアーティストをアンバサダーとかにアサインはしてるわけではないので、ファクトベースでクリエイティブを提案してもらえないかなって、すんごいざっくりで申し訳ないんですが、お願いしますー!」

間に代理店いてもいなくても、最初のオファーはこんな感じだと思います。(こんなチャラくないしRFPあるからって場合はピースオブケイクさんご容赦ください・・・)

1繋がりの言葉を分解・再構築する

オファーされるとき、相手から1繋がりの言葉(お話)で受け取るわけですが、この一本の長くて太い毛糸みたいなものを、もにょもにょとほぐして、情報をツリー構造に整理整頓をします。

ステップ1. 話の中の主要な部分をマークする

「あーすんません来てもらっちゃって。ちょっとウチの方でnoteの認知を広げる上でディスプレイ広告考えてるんですが、戦略部分まで考えてバナーデザインできる方を求めてて、できればABテストまで提案して貰いたいなって思ってまして。コピーとか含めてお願い出来たりしますか? 取り急ぎポイントとしては「まだそもそも『noteって何それ?』って人を対象にコミュニケーション張りたいんすよ。絶妙にアーリーアダプターがいまメイン層でキャズムの谷というか壁を越えたいなと思ってて。特に芸能人とかアーティストをアンバサダーとかにアサインはしてるわけではないので、ファクトベースでクリエイティブを提案してもらえないかなって、すんごいざっくりで申し訳ないんですが、お願いしますー!」

ステップ2.マークされなかった部分を削除

noteの認知を広げる
ディスプレイ広告
戦略部分まで考えてバナーデザイン
ABテスト
コピー
まだそもそも『noteって何それ?』って人を対象
キャズムの谷というか壁を越えたい
ファクトベースでクリエイティブを提案

ステップ3.「5W2H」の枠を用意する

【ピースオブケイク社/note認知拡大に伴うディスプレイ広告のデザイン】
What: 
Why: 
When: 
Who: 
Where: 
How: 
How much: 

ステップ4.入れ込んでいく

【ピースオブケイク社/note認知拡大に伴うディスプレイ広告のデザイン】
What: 戦略部分まで考えてバナーデザイン、コピー
Why: noteの認知を広げる、キャズムの谷というか壁を越えたい
When: 
Who: 「まだそもそも『noteって何それ?』って人を対象
Where: ディスプレイ広告
How: ABテスト、ファクトベースでクリエイティブを提案
How much: 

ステップ5.不明点を加筆する

【ピースオブケイク社/note認知拡大に伴うディスプレイ広告のデザイン】
What: 戦略部分まで考えてバナーデザイン、コピー
 →サイズや仕様ってどうなの?
Why: noteの認知を広げる、キャズムの谷というか壁を越えたい
When: 
 →いつ配信したいの?、入稿から掲出までのタイムラグは?、初回提案はいつが希望なの?
Who: 「まだそもそも『noteって何それ?』って人を対象
 →今までのターゲットとしてたオーディエンスはどんな属性?、これまでのオーディエンスは避けるの?含めるの?
Where: ディスプレイ広告
 →純広告?DSP?、純広告ならどこの媒体?
How: ABテスト、ファクトベースでクリエイティブを提案
 →ロゴデータのAIとかもらってなくない?、ロゴのガイドラインは?
How much:
 →制作予算は?、参考までに配信予算は?、提案フィー出るの?

ステップ6.問い合わせて情報を集める

5W2Hを用いて情報を整理すると抜け漏れが見えて、確認すべき点があぶり出しやすいので楽です。あとは先方から一両日中に返事が来るものとして、次のフェーズに移ります。

スライドをつくりはじめる

与件整理のスライドは「話の整理をシンプルかつ的確にすること」が目的なので、デザインは余裕があれば程度でOKです。

まずはシンプルにタイトルを

画面の左側に5W2Hで話を整理するスペースを作る

ピ社からもらった情報をコンパクトな言葉でまとめる

右側に「つまり与件をまとめると」という言葉を記載する

これにて与件整理は完了です。

何故に勝率が上がるのか

単純にプレゼンや提案そのものが芯を食った状態になるから、というのが経験上言えることです。

野球のバッティングで言うと、ボールがカッキーンと芯で弾き返せる感じ、あんな感じです。

提案書をつくる最初にこの与件整理をすることで、分担作業しても北極星がみんなで見えているので、デザインもコピーもシステムの外設も、的を射たものが揃います。

近々提案の予定がある方で、与件整理のスライドがない場合、急いで用意するのを強く推奨します。

#ビジネス #プレゼン #提案書

サポートいただけたら、嬉しくて本屋に行くと思います・・・笑