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【海外出産奮闘記#12】母乳育児の苦労再び!「処女乳首の受難」編

大学卒業後、まともに就職活動もせず、ふと見つけた広告に応募し採用され、現代美術ギャラリーで楽しく働く私に向かって、ある日母はこう言放ちました。「あんたはきっと“いきおくれ”て、30過ぎで猫と一緒に1人暮らしするんでしょうね」と……。
しかし、人生には時に天変地異の如き出来事が降り掛かります。25歳で出会った彼と、次の日からおつきあいをスタート。半年後に妊娠、入籍する事に!
ドタバタの海外出産後、酷寒の地ボストンでの生活から、夫の就職を機に新天地カリフォルニアに住居を移した私たち一家、そして後陣痛と恥骨痛に苛まれた2人目出産。前回は、太陽の国カリフォルニアにおける「新生児黄疸編」をお届けしました。
今回は「母乳育児の苦労再び! 処女乳首の受難」編をお送りします。

前回はこちら↓

■完全母乳で育った長女、次女妊娠後10ヶ月で断乳

初めての母乳育児、長女の時、最初はとても苦労しました。乳首は傷つくわ、肩はこってがちがちになるわ、思えば大変な騒ぎでした。

が、母乳育児は軌道に乗ってしまえば、いろんな意味でいいものです。

赤ちゃんと密着する幸福感、いつでもどこにでも、赤ちゃんの食べ物を持ち運べる快適さ、泣きやまないときの最終手段を持つ安心感など、栄養面と安全面以外にも、様々な恩恵があります。

長女は完全母乳で丸々と育ち、次女妊娠が発覚したすぐ後、10ヶ月で断乳しました。

2人目ともなると余裕じゃないの?誰もがそう思うと思います。しかし実際はそんなことは全くなかったのです。

■母乳育児の苦労再び

新生児の頃は、母乳の生産量が安定していません。一時間おきに泣く赤ちゃんを見て、「おっぱいが足りないんじゃないの?」「お腹空いたのかな」などなどの、他人からの言葉に心折れ、涙に暮れる方も多いでしょう。

私もその一人でありました。

2人目ともなると、「吸わせ続ければ、いつかは出る」という確証があるので、心折れることは無いだろう……と思いきや、なんと予想外のハードルがあったのです。


■ 吸うのが下手な次女、筆者思わず天を仰ぐ

長女に比べて、次女はおっぱいを吸うのが、最初はなかなか上手くいきませんでした。3時間かかってやっと吸い付いてくれたときなどは、「吸啜(きゅうてつ)反射は本能のひとつではないんですか、神様……」と天を仰いだものです。

吸うのが下手だった次女。


■戻った乳首

赤ん坊は乳首を口の中でぎゅぎゅっとしごき、それから伸ばすだけ伸ばして乳を搾り出します。

訓練されていない乳首は、最初はもちろん伸びません。ですから初心者乳首は傷つき、傷口を開いて血を流し、真っ赤に腫れあがります。シャワー後のタオルが触れるだけで、飛び上がるほどの痛さです。

これまで何も仕事をせず、ぬくぬくと甘やかされ、安穏とした暮らしを享受してきた小娘が、突然現場にぽいと放り込まれ、キツい肉体労働を強いられるような凄まじさ、とでも言いましょうか。

その後2週間ほど経つと、花も恥じらう小娘はいつの間にか鍛え上げられ、どこからどう吸われても動じない、赤子の要求に応えて伸びに伸びる、立派な“ガン(岩)乳首”が出来上がるのです。

痛々しく傷つき疲弊した乳首を、甘やかした息子のようにいたわりながら「かわいそうに……」と涙したのは過去のこと、私はもうそんな苦労とは無縁。

「だって、もうわが乳首は、立派なガン乳首なのだから!」と自信満々、次女が口をあーんと開き、カポっとくわえたそのとき。

私は驚愕しました。
なんと、乳首は元の“初々しい小娘”に戻っていたのです。

その時、私の脳裏に浮かんだのは、“処女乳首”。いくら年子といえども、しばらく吸われないでいると、“処女乳首”に戻ってしまいます。これは少なくとも私が子どもを産む前には到底得られなかった知識あり、予想だにしない出来事でした。

乳首がこんなに大変な目にあうのだということを、世間はもっと知るべきではないか? と当時は痛さに涙を流しながら思ったものです。

そうすれば、世の夫もより妻に感謝の念を抱くというものでしょう。 これから授乳の予定のある皆さん、“処女乳首”に戻るときには、くれぐれも気をつけてくださいね!

■処女乳首も安心の「母乳育児」お助けグッズ

・馬油、もしくは羊油
私は傷ついた乳首を気の毒に思いながら、赤ちゃんがなめても害の無い、天然の馬油や羊油を乳首に塗って、処女乳首受難期をしのいでいました。。。

保護の為という意味では、事前に塗っておくと良いかもしれません。私も長女のときに、「もし次があれば、必ず事前に塗っておこう」と思ったはずなのですが、まんまと忘れました。

ちなみに、3回目の出産も、4回目の出産も忘れました。

・母乳用ハーブティー
母乳の出をよくするハーブとしては、フェンネル、アニス、キャラウェイシードなどが有名です。市販のブレンドティーもありますが、茶葉は農薬がそのまま残るので、出来ればオーガニック基準の高いものが安心だと思います。

私はアメリカのオーガニック製品を扱うスーパーマーケットで、Traditional Medicinals社の『Mother’s Milk』ブレンドや、マリエン薬局の『授乳・乳腺炎対策ブレンド』を愛飲していました。

日本でも販売されていますので、参考にしてくださいね。

★今回の教訓★
(1)出産のたびに、ガン乳首は処女乳首に戻ります
(2)馬油、羊油は乳首の保護に最適
(3)母乳用ハーブティーはオススメ

次回は「額にブツブツ!? がんばりすぎる私」をお送りします!



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