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映画「ビューティー・インサイド」を観て

数年前公開の韓国映画。
主人公男性ウジンは、18歳の時から目覚めると別人になる。つまり、顔だけじゃなく、体型も性別も年齢も国籍も。このことを知っているのは、母親と親友だけ。

朝起きて別人というと「変身」のカミュを想起したけど、あれは個人的趣味で書かれたものだし、結末は無情的。

家具デザイナー・職人のウジンは、家具の大型店でイスという、そこで働いている女性と出会い好きになる。通って、家具購入後、食事に誘い、共通の家具の話題も弾んで仲良くなるも、寝ないでいるのは2日が限度(その容姿でいたかったため)で、朝会う約束をしたのに電車で眠ってしまい、起きるとかなり別人の容姿になり、会いに行けない。
それでも、彼女が好きな彼は、女性の容姿になっているのに、彼女に近付き真実を打ち明ける。
最初驚いた彼女もその事実を受け入れ、ふたりは付き合うようになる。

が、彼女の側から見ると、毎回相手の容姿が変わり、待ち合わせをしても彼がどれかわからなかったり、その新しい容姿に慣れるのに時間がかかったり、家族にも紹介できず、会社の同僚には毎回違う男を連れていると思われ、悩むうち眠れなくなり、薬を常用しだす。
その副作用で、ある時倒れ、結局ふたりは別れることに。

数ヶ月後、互いに未練もあり、彼女も過去の悩みよりも離れているほうが嫌だと思い、彼のいるチェコのプラハへ会いに行く、仕事も兼ねて。

別れる前、ちょうど彼女が倒れる前、彼はプロポーズをしてた(そこでもめたのも別れた原因)。今度は、川向うのプラハ城を背景に彼女がプロポーズ。彼女にとってもう見た目は関係ないとこまで消化(見た目による生理的嫌悪感はないのだろうか)。それを聞いて彼がポケットから取り出したのが木の小箱で、中には手作りの指輪が。

特に先入観なく、あらすじも深堀せず見たので結末が読めず。結局、一見ハッピーエンドだけど、彼の特異体質に変化がなかったのがちょっと気になる。彼女の悩んでた問題は結局解決してないし…。そもそもパスポートの顔と違うので帰国できるのか。そういうのは、ファンタジーということで。

とはいえ、エンドロールの途中で、なんと失踪したはずの父親が出てきて、なんというか純愛がわかる。映画が終わって席をすぐ立つ人は見落とすかも。

主人公は家具のデザイナーであり職人で、その作品も出てきて、彼女も職場が大手家具店で製品の説明もあり、家具が無性に見に行きたくなった。
それと、指輪を作ったり、そのケースも作ったり、そういう手作り感も新鮮。

彼女の姉役が、「キリング・イブ」というドラマの主演のひとりサンドラ・オーに雰囲気似てたのも印象に残った。

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