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6/5 餞別

 私の綺麗は世間的な帯を纏っている。綺麗なものは好きだよ、人は瞼の裏から見える光の筋を美しいと比喩するそうだ。永遠の愛は存在するとして、それは見失うことでしか得られないだろうね。君は私がいたことを、記憶を喪失して見失うことができる唯一の君であった。別れに餞別の言葉も感謝の言葉も口にすることなく永遠を保っている私は青春を駆る獣だった。


夕方、都内某所にて

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