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地方に住み、自治体と働くということ⑫ ~地域起業のテーマ探し

前々回の記事で、地域ブレーンの重要性について書いていたので、今回は地域ブレーンのタイプを分類してみようと頑張ったのですが・・・。
あまりうまく分類できなかったので、もうちょっと考えてみます。

ということで、今日は「地域起業のテーマ探し」について書いてみたいと思います。

1.起業とは付加価値を生み出すこと。その方法は?

この記事は、都会で仕事をするビジネスパーソンを想定して書いています。なので、テーマ探しも、ご自身の持つビジネススキルをどうやって活かせばよいのか、考えることから始めてみたいと思います。

起業とは、自分で世の中に付加価値を生み出す行為ですが、その方法は、「生み出す」「磨く」「伝える」の3つくらいに集約されるのかな、と思います。これらの方法を、地域起業に当てはめて考えてみると、つぎのような感じになりました。

〇生み出す
 地域に「ない」ものを創造すること。新しい場所やモノを作り、ヒトを増やすことで、成功すれば収益は大きいが、失敗するリスクも。
〇磨く
 地域に「ある」ものを活かすこと。既存のものに手を加えるだけなので、大きく失敗するリスクはないけど、よほどうまくやらないと大きな成功も難しい。
〇伝える
 地域の情報を集め、発信すること。これまで見過ごされてきたささやかな価値を拾い上げ、共感する人に直接に届けることで、今までにないヒト・モノ・金の循環を生み出す。

これらの方法を、地域のリソースである「場所・空間」「モノ・商品」「ヒト」に当てはめてみると、以下のマトリックスができあがりました。これだけでも7種類の付加価値の創造方法が見えてきますね。

ご自身の関心のある領域や、高い付加価値を出せそうな領域はどこなのか、いろいろと考えを巡らせてみてください。

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2.培ったスキルを活かすには?

今まで培ったスキルを活かすというと、「同じ業界や業種の仕事をしなければいけない?」と思う方もいるんじゃないでしょうか。

これまでと同じことを繰り返すだけでは、もと居た職場の縮小再生産になってしまうだけで、付加価値なんて生まれません。かといって、これまでの経験をゼロリセットし、培ったスキル(=自分の強み=自分の軸)を手放すなんてもったいない!

そこで狙うべきは、「軸」はしっかりと持ったままで、「軸の置き場所」をずらすことです。言葉だけだとわかりづらいので、図や例示をまじえながら説明してみますね。

〇深める(垂直展開)
・自分のスキルは、事業全体のバリューチェーンのどの部分なのか理解する
・バリューチェーンの前工程、または後工程を改善するための方法を考える

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例:人材派遣会社の営業経験を活かし、企業と求職者のマッチングイベントを開催

〇広げる(水平展開)
・気になる業界があれば、事業構造やバリューチェーンを分析してみる
・バリューチェーンの中で、自分のスキルを応用できる部分がないか考える

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例:住宅メーカーでのインテリアコーディネート経験を活かして、個人のお宅の片付けアドバイザーになる

〇掛け合わせる(垂直×水平展開)
・「深める」と「広げる」を同時にできる方法を考える

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例:書店で身に着けた選書のスキルを活かして、ブックカフェを開業

いかがでしょう。ずらし方のイメージが湧きましたか?

3.情熱を注げる事業の探し方は?

起業とは、自分の人生の時間をかけて情熱を注ぎこむものです。なので、できること(skill)だけではなく、やりたいこと(will)にも目を向けることが大切です。

skillとwillの両方を満たす仕事ができれば、まさに「天職」となり、人生をかけるに値するライフワークとなるでしょう。

一方、skillだけしかないと、結局いつかはモチベーションが続かなくなります。また、willだけでは高い付加価値を生み出すことは難しいでしょう。自分の人生の時間と労力を投じる価値があるのかどうか、改めて考えてみる必要があります。

地方には様々な課題があるのに、リソース不足で解決が難しいことも多く、チャンスはいたるところに転がっているといえます。
情熱を注ぐに値する仕事を生み出すために、skillとwillの掛け算を忘れないようしていきましょう!

参考:will-skill分析のフレームワークは、以下の記事が分かりやすかったので、ご紹介しておきますね。



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