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地方に住み、自治体と働くということ④ ~自治体の担当部署に提案する

自治体と仕事をするって、ハードル高いですよね。そもそも、どうやって自治体職員にコンタクトを取ればいいの?拒否されない?怪しまれない??怖いよ!!・・・という声が聞こえてきそうです。

実は地方都市に住んでいたら、自治体職員の方と知り合う機会はたくさんあります。地域活動などに参加して自治体職員の方とのネットワークを作ったうえで、自分ができること、自治体と一緒にやりたいことを小出しに提案していく、というのが早いと思います。

自治体職員とのネットワークを作る方法

地方はなにごとにも担い手が少なく、限られた人数で社会的な活動を回しています。その中には当然、地域のために働く自治体職員も駆り出されているものです。

例えば、地域のお祭りなどのイベント事は100%と言っていいほど自治体が主催・協賛していますので、イベント前に運営事務局を訪ねてボランティアを申し出てみたり、イベント当日に運営ブースに顔を出して移住者であることを伝えて自分のやりたいことを熱弁したりすることで、担当職員の方とのネットワークができてしまいます。

また、過疎地に近い場所では、地域の若手が自治体職員であることも多く、草刈りや清掃活動、消防団などの地域活動に参画しているだけで、自然と自治体職員と知り合いになれたりします。

イベントや地域活動でともに汗をかき、打ち上げでおいしいお料理を食べながらお酒を酌み交わせば、一気に距離が近まります。

担当部署につないでもらうための話の進め方

距離が縮まったタイミングで、自分の問題意識ややりたいこと、実績、事業アイディアなどについて熱く語り、自治体視点でのアドバイスを求めてみてください。

外からの刺激やあたらしいアイディアを求めている意欲的な自治体職員であれば、間違いなくあなたの話に耳を傾け、熱い自分語りをしてくれることでしょう。そしてもし運が良ければ、次のようなタイムリーな話も聞けるかもしれません。

「ちょうど町長が同じような問題意識を持っていて、担当課に検討するよう指示があったばかりなんだ」

「議会で議員からの質問があり、どうしようか困っていたところなんだ」

「ちょうどそれに近い案件が来週公募されるから、応募してみたら?」


こんなタイムリーな話はなくても、もしその職員の方が少しでもあなたの実績や事業アイディアに関心を持ってくれたら、ぜひ担当部署の人を紹介してもらうようお願いしてみましょう。

担当部署を訪問する際に持参すべきもの

担当部署との面談では、これまでの経歴や実績をまとめた「概要書」と、事業アイディアを記載した「ディスカッションペーパー」を作成して持参しましょう。それぞれの資料には、以下の内容を盛り込むとよいです。

【概要書】

〇自己紹介: 学歴、職歴、スキル、委員会・出版等

〇実績紹介: 事業アイディアに関連する実績

〇留意点: 自治体からの業務委託実績があれば、事業アイディアに関係しなくても記載した方が良いです。

【ディスカッションペーパー】

〇事業の着想に至った背景、問題意識

〇事業の概要: サービスメニュー、受益者とメリット、コスト・収入条件、活用できる補助金 等

〇留意点: 自治体の受益者である「住民」にとってどんなメリットがあるのか、わかりやすく記載しましょう。住民のメリットが語れなければ自治体は動けません。別の事業を考えた方が良いでしょう。

ディスカッションペーパーの作り込み方

ディスカッションペーパーを作る際は、地域のことを調べ、深く考え、事業化のアイディアを具体化していくことが大切です。

担当部署との面談では、次のような素朴かつ鋭利な疑問・コメントが寄せられることがあります。

・ うちの町はこれまでも似たような事業をやっていて、これ以上同じような事業は必要はないと思っています。

・ あなたの実績や思いはわかったけど、町内でずっとこの事業をやっている人がいてね、その人を断るわけにもいかないんですよね。

・ すごくいい事業だと思うけど、予算がなくて・・・。

しがらみから逃れられない自治体の方の事情も理解できるのですが、このような話を聞いてしまうと、どうしても自分の事業が拒否されているように感じられてしまいます。ぜひこれらのコメントを前向きにとらえ、あきらめずに新たな提案をしていくとよいでしょう。

例えば、上記の質問には次のように答えられるとよいですね。

・ うちの町はこれまでも似たような事業をやっていて、これ以上同じような事業は必要はないと思っています。

➡例:既存の事業を調べたところ、〇〇が不足しています。私の提案する事業で不足分を補え、政策の効果が上がります!(自治体のHPを検索し、事業に関する計画書や報告書を読んでおく)

・ あなたの実績や思いはわかったけど、町内でずっとこの事業をやっている人がいてね、その人を断るわけにもいかないんですよね。

➡例:この事業の成功ポイントは都市部とのネットワークにあります。移住前の都市部コミュニティを活用することができます!(類似の事業を行っている人に話を聞いておき、違いを明確に説明できるようにする。連携して取り組むのもよい)

・ すごくいい事業だと思うけど、予算がなくて・・・。

➡例:国の補助事業があります。一緒に補助金申請書きますよ!(毎年さまざまな分野で、国から自治体への補助金公募があるので、事業で応募できないか調べておく)

自治体職員の方であれば、住民からの提案についてむげに否定することはありませんが、担当部署の職員も暇ではないので、最初の面談で収穫なしだと思えば、次のアポは取りづらくなります。

どんな角度のコメントに対しても、あなたなりの回答を提示できるよう、事前の脳内Q&Aシミュレーションをしっかりと行って臨みましょう。

実りあるディスカッションができれば、次にきっとつながります!

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