見出し画像

「ふるさと起業家支援プロジェクト」を活用する

「ふるさと起業家支援プロジェクト」って、ご存じですか?

総務省が、ガバメントクラウドファンディング(GCF)に取り組む自治体に、財政的支援をする制度です。

画像1

(出典:総務省HP

近年、自治体側もこの支援に期待して、様々なプロジェクト型ふるさと納税に取り組んでいますね。

■GCFってなに?という方は、こちらをどうぞ。
https://www.furusato-tax.jp/gcf/

ふるさと起業家支援は、普通のGCFとなにが違うの?

ふるさと起業家支援事業の特徴は、端的にいうと「自治体が公募し、起業家は競争に勝って案件を採択されないといけない」ということ。

どういうことでしょうか?

総務省の公表資料では、具体的なプロセスが記載されています。ちょっと長いけど引用しますね。

(3)具体的な事務の進め方
① プロジェクトを周知するとともに、起業家を募集【地方団体】
※ 起業家の募集にあたっては、ウェブサイトや広報誌等において呼び掛けるだけでなく、これまでの各団体における産業支援施策での知見を活かしつつ、個別に起業を志す者の掘り起こしを行うなどの取組が効果的であると考えられる。
また、事業分野を限定せずに募集する方法のほか、地域の課題解決に資する事業分野を示して募集するなど、事業分野を限定して募集する方法も考えられる。
② 事業内容及び「支援先の事業に継続して関心を持って貰うための工夫(※)」の内容を地方団体に提案【起業家】
※ 実施内容については、起業家の創意工夫に委ね、事業内容の魅力とともに競い合っていただく。具体的には、ふるさと納税の趣旨に沿った範囲内で、定期的な事業報告を行うほか、自社製品の試供品等の送付、事業所見学への招待、起業が成功した際の新製品の贈呈等が考えられる。(なお、事業報告については必ず行うものとする。)
③ 提案のあった起業家の事業について審査【地方団体】
※ 事業審査については、外部有識者を交えて行うことが考えられる。審査項目としては、事業の公益性や採算性、地域の課題解決への寄与度、定期的なふるさと未来投資家への事業報告の有無、自社製品の送付等がふるさと納税の趣旨に沿ったものであるか等が考えられる。また、地方団体は、審査を経て起業支援の対象となった起業家に対し、事業内容の充実に係る指導・助言、研修等を実施することが効果的であると考えられる。
④ 審査を経て支援対象となった起業家の事業について、クラウドファンディング型のふるさと納税として、クラウドファンディングサイトやふるさと納税ポータルサイト等を通じてふるさと納税を募集【地方団体】
※ 募集にあたっては、
・募集期間
・目標金額を設定する場合は目標金額や目標金額に達しない場合の取り扱い
・事業に継続して関心を持っていただくための工夫内容
・地方団体が上乗せして補助することとしている場合はその旨
・ふるさと未来投資家の個人情報を起業家へ提供する場合はその旨
を明らかにすること。
なお、今後、総務省において、本プロジェクトに係る「特設サイトの開設」や案件の掘り起こし等について協力していただけるクラウドファンディングサイト及びふるさと納税ポータルサイトの運営事業者(以下、「協力事業者」という。)の情報をとりまとめて、追って各地方団体へ周知する予定である。
⑤ 応援したい起業家(事業)を選択してふるさと納税【ふるさと未来投資家】
⑥ ふるさと納税を財源に起業家へ補助
あわせて、ふるさと納税を財源に補助する金額に上乗せして各地方団体が独自に補助を行う場合には、当該補助の実施【地方団体】
※ 地方団体が、ふるさと納税を財源として補助する金額に上乗せして補助する(いわゆるマッチングギフト的な補助)。地方団体として、当該起業を支援する意思を明確にすることにより、起業家にとってはふるさと未来投資家の支援のみに頼ることなく、より円滑に必要な資金を調達できること、ふるさと未来投資家にとっては対象事業について地方団体としても支援の意思があることがわかりやすく、対象事業に対する自らの支援がより大きな効果を生み出すことを実感できると考えられる。
⑦ 調達した資金を用いて事業を実施するとともに、「支援先の事業に継続して関心を持ってもらうための工夫(前記②参照)」を実施【起業家】
⑧ 地方団体からの補助に係る事業報告を地方団体へ行う【起業家】
⑨ ウェブサイトや広報誌等においてふるさと納税の活用状況を公表【地方団体】
(出典https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/report20171027-02.pdf)

これによると、「①自治体が起業家を募集」 → 「②起業家が提案」 → 「③自治体が審査」して初めて、自治体が行うGCFに国の資金的援助が得られる、ということになります。

ふるさと納税サイトを見ると、GCFとしては100~500万円/件の案件が多いようですが、この中で「民間のプロジェクトに活用します」と謳っているいるものは、おそらくふるさと起業家支援事業として、事前に自治体が起業家を募集していたはずです。

例えば栃木県那須町では、2020年5~6月に以下のようなサイトを公表し、起業家からの提案を募集していました。
https://www.town.nasu.lg.jp/0258/info-0000001829-1.html

他方、ふるさと起業家支援ではないGCFと言えば、代表的なものが、自治体の庁舎整備費や、文化芸術振興活動の基金積み立てに使います、というもの。これらはすべて、自治体が行政サービスを行うための原資となります。

つまり、簡単に言えば以下のとおり。

〇ふるさと起業家支援
 = 目的は民主導の地域課題解決
   案件は公募で選定
   自治体がマッチングファンド(国が財政支援)
〇そのほかのCGF
 = 目的は行政サービスの向上
   案件は庁内で選定
   不足分は自治体が自ら拠出

で、このふるさと起業家支援事業、早ければ来年5月頃から公募がスタートします。那須町の事例では、GW明けから公募が始まっていましたね。

画像2

(出典:那須町HP

自治体がどんな案件を期待しているのかを把握することで、採択される可能性が高まります。

できれば年明け頃から担当課へアポを取って関係性を構築しておいたり、事前相談に行っておくことが望ましいですね。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?