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おっさんの戯れ言#4

現在、旅行業界に従事している。

海外クルーズを専門に扱っているため、仕事が激減している状況である。今は来年以降の旅行商品を企画し、未来への期待と不安の中で何とか光明を見出そうと仕事をしている。過去には営業としてお客様へ商品を提案、販売していた。一応トップレベルの元営業マン(器の小さな自慢)。

数ある旅行形態の中でも、ここ数年認知度が飛躍的に上がったクルーズとは一体何ぞや?知っているようで知らない領域?実際に利用したこと無い?金額が高そう?敷居が高そう?

特に自分と同世代(昭和の生き残り)、またはそれよりも下の世代にとってはクルーズ旅行は全く親しみがないはずである。でも、ハネムーンで利用した方はいるかもしれない。

何を隠そう、私が営業で最も力を入れた顧客層がハネムーナーなのだ。彼らの一生に一度しかできない(複数の人もいるけどごく少数のはず)記念の旅行、仕事に明け暮れる毎日の中で獲得できる長期休暇の数少ないチャンス。

だから期待値が高い。だから背伸びをしたくなる。ハネムーン=熱海旅行の構図は今や親世代に遡る。今は多様な旅行形態から、2人の志向にマッチした商品が選ばれる。その中でクルーズは「とりあえず」旅行会社に聞いてみようとする程度の位置付けかもしれない。しかしながら、何故クルーズに興味を持ったのか、との問いに対して「先輩社員から勧められたから」が割と多い印象を受けた。先輩GJ。お陰でビジネスチャンスゲットだぜ。

では、何故クルーズ旅行を「勧めたく」なるのか?

私なりの導き出した答えは

「何でもできる」「やりたいようにできる」

だ。なのだ。

こう考えると、若い世代の需要にマッチしているはずだが、残念ながらクルーズ旅行は日数を要することが多い。特に海外クルーズであれば全行程が9~10日間がメインである。長い。そんなに休めない。ですよね。だからハネムーンなんです。という具合。


では一体、「何でもできる」「やりたいようにできる」とはどういうことか?

旅行、と言ってもあなたが何を思い浮かべるかは全く異なる。イメージが数多なのだ。

のんびりと流れる時間を贅沢に過ごす

史跡をめぐって先史に思いを馳せる

絶景を眺めて心を浄化させる

アクティビティーに参加し、体を使ってリフレッシュする

などなど。他にもイメージがあるかもしれない。


旅行はそのイメージに合った選択をしなければ満足が得られない。のであるならば、クルーズは上に挙げたこと全てが叶えられる。のだ。凄いでしょ?


バルコニー付きの客室でのんびり紅茶を楽しんだり、開放的なプールサイドのバーでカクテルを飲んじゃったり。

寄港地で世界遺産へ行ってみたり。翌日の別の寄港地でも世界遺産へ行ってみたり。エーゲ海クルーズなら全寄港地に世界遺産があったりする。

船から美しい夕日を眺めたり、アラスカの大氷河が眼前に迫るほど船が入って行ったり。

船の中のプールで泳ぎ、ウォータースライダーを楽しみ、カリブ海のプライベートアイランドでBBQやジップラインをやってみたり。

「何がしたいですか?今回の旅行で何を叶えたいですか?上から順番を付けていってください。」

とハネムーナーによく宿題を出していた。その結果他の旅行を選択したとしても、2人の一生に一度の旅行がより忘れられない体験になればそれでいいと心から思っている。営業を離れた今も。営業的にはダメなんだろうけど。でも、だからこそ選んでもらえるような商品を作りたいし、提案したいというモチベーションになっている。

自分は生粋の出不精で、休みの日は家から一歩も出たくない。そんな人間が、目の前の旅行に行きたい人と一緒に計画を立てている時間、あのワクワク感がたまらなく好きなのだ。自分は行かないけど。行きたくないし。遠いし疲れるし。でも行ったら絶対感動しちゃうよなーとか、行ったら人生が豊かになるよなーとかは考える。

なので、仕事で船に乗ることがある、という会社に入った。結果として毎年仕事で船に乗っている。今年は無理だが…。そもそもクルーズ自体が死んでいる。来年は口八丁手八丁で上を取り込み乗ってやる。プライベートでは乗る気が全くないのに、仕事では行きたい。変だが、それが事実なのだ。

乗ると、楽しい。ずっとワクワクしている。寝てる間に次の目的地に着いて、朝、目覚めとともに景色が変わっている。小さな頃、家族旅行で夜中に出発するあの感じ。半分寝ぼけていて、車中爆睡からのパーキングで休憩のたびに起こされ景色が変わっているあの感覚。共感してくれる方もいると思う。

若い世代の人にこそ、海外でしか経験できないことが多くある。今後の人生へ大きく作用することもある。だから行ってほしい。その経験をクルーズを通じて手伝うことができれば尚うれしい。世界が1つのウィルスに怯え、異常な状態になっているけれど、必ずまた海を渡れる日が来る。楽しみのために渡航できる日が来る。だから、いざとなったときにクルーズが選択されるように今は頑張るとき。皆さんが「クルーズ旅行に行きたい」って思ってくれるように…。

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