おかざき真里 『&』 を読む
どこかのテレビ番組で、類人猿の研究者が、「わかる」ということは、想定と本質が矛盾しないことですと説明してたけど、それがまさしくテーマであった、『&』。
タイトル通り、登場人物たちはみんな二つのものを同時に抱えており、それがダブルワークだったり、過去や今、好きな人や好かれている人、責任持たなきゃいけない人間と救いをくれる人間、反発と献身、などなど、&のバラエティは豊かなのです。
その、抱えている二つの項目の間を彷徨き回ることによって自分が相対化されて、自分が何者かという、その輪