イングリッシュorイタリアンonly
自動翻訳はオフにしている
自動翻訳機能をデフォルトで使う人が増えたのだろう。私のAirbnbアプリのメッセージ欄にはイタリア語やドイツ語が羅列している。躊躇なく自分たちの言語でメッセージを送ってくる人が増えたということだ。
私は自動翻訳をオフにしているからイタリア語はイタリア語のまま、ドイツ語はドイツ語のまま表示されている。もちろん読めない。いや、読もうと思えば読めなくもない気はするが。。。
ちなみに夫のアプリは自動翻訳機能がオンになっていて、全てのメッセージがフランス語で表示されている。当初夫はそれを見て、最近の旅行客はみんなフランス語を勉強していてすごいなぁと感心していた。
ちゃうちゃう、ちゃうって。全然ちゃうから。
自動翻訳のオンとオフのやり方を見せるととても驚いていた。テクノロジーの進化はすごいなぁオイッ!って目をキラキラと輝かせながら。
ある時アメリカ人から「午後2時頃に到着します」というシンプルな英語のメッセージが届いた。それに対して夫は「何時に着くのか教えてほしい」と返事をしていた。夫が受け取ったメッセージにはフランス語で「午後に到着します」とだけ書いてあった。自動翻訳が時間を訳し忘れたのだ。
毎回ではないが、たまにこういう凡ミスが起こる。だから私は自動翻訳をオフにして、できるだけ元の文章に目を通すようにしている。
手間はかかるが原本を確かめたい
ラテン語源の言語であれば予測して理解しようと努めれば出来ないこともない、かもしれない。ドイツ語は英語っぽい単語が出てくればなんとか読める、気がするのだが、やはり確実に理解するためには翻訳アプリを使うしかない。
結局ね、使っちゃうのよ。
でもそのまま自動翻訳するのではなく、コピペして別の翻訳アプリを使うようにしている。手間はかかるが元の文章と翻訳された文章を見比べて確かめたいのだ。
特にラテンアルファベットを使う言語であれば、英語に翻訳すると単語数や否定形の使い方などから翻訳ミスがあるかどうかを推測できる。
多少面倒だがコミュニケーショントラブルを防ぐためにそうしている。自動翻訳の性能を妄信できないのだから仕方がない。
もちろん私は英語で返事をする。相手には相手の設定言語に翻訳された文章が届くから、私ががんばってイタリア語やドイツ語を書く必要はないのだ。
イタリア人がやってきた
そうやってアプリの便利なんだか不便なんだかよくわからない機能に右往左往する中、昨日イタリア人カップルが到着した。
予約時から何かと質問が多く、アプリに登録してある概要や説明欄に書いてあることをいちいち聞いてくる。
こいつ、何も読まずに予約しやがったな。ってことがバレバレやねん。
特に駐車場、駐車場はないのか?としつこく聞いてきた。概要や説明の至る所に「駐車場はありません」って書いてあるのに。
モヤっとした気持ちで質問全てに英語で返答した。
駐車場はない→どこに駐車すればいい?
少し遠くなるが一般駐車場はある→遠いのは困るし値段が高い。
だったら路駐しかない→駐車場はないのか?
ないっつってんだろ!とキツく言いたいところをグッと堪えて「そんなにお困りなら駐車場のある宿泊施設を予約した方が良いのではないですか?こちらはキャンセルしていただいて結構ですよ」と返事をしたら、ひっきりなしに届いていたイタリア語のメッセージがピタリと止んだ。
「今着いた」イタリア人がいない
ウチは対面で鍵の受け渡しをしている。実際に会って会話を交わしながら鍵を渡すことで見知らぬ誰かに部屋を貸す不安が和らぐし、相手も安心だろう。
事前に大体の到着予定時間を聞き、当日は30分前までにコンファームすることでお互いに待ちぼうけをすることがないようにしている。
なのに昨日のイタリア人は突然「今着いた」とメッセージを送ってきた。もちろんイタリア語で。
メッセージを受け取ってから30分後を待ち合わせ時間に指定したら、「もう路駐した。もっと早く来てもらえないか」と即座に返事が送られてきた。むむむっ。
長旅で疲れている人たちを炎天下待たせるわけにはいかない。用事があってたまたま近くまで来ていたので自分の用事を後回しにして駆けつけることにした。
だがそこには誰もいない。はて?
住所を間違えているのでは?と思い、「どこにいるのでしょう?」とメッセージを送ると「今駐車料金を払っている」と返事が来た。「今着いた」とメッセージが届いてから15分は経っている。支払いに手こずっているのだろうか?
それから更に15分、私は待った。待ちましたよ。木陰でボーッと突っ立ってね。
最初に提案した30分後のその時間に彼女たちが来るまでずっと。ダラダラと汗かきながらしっかり待ちましたよ。
イングリッシュorイタリアン
やっとこさ2人が現れた時にゃぁ、くっそぉ〜と込み上げる苛立ちを大袈裟な笑顔で誤魔化しながら、ハーイ!You are here !とややハイテンションで出迎えた。
So? Where did you park?と両人の目を交互に見つめながら聞くと、イタリア語でなにやらこちょこちょと話した後で私の目をしっかりと見つめて堂々と
ウィーアー イングリッシュ オア イタリアン オンリー
と言い放った。ぬぬぬっ。
私は引き攣った頬を笑顔でほぐしながら
Where did you park your car ? I said. It’s English I’m talking.
ゆっくりと歌うようにそう言うと、オォ!シィ シィ。アップ ゼア。そこを少し上がったところに。。。からグダグダと駐車場はないのかの話がまた始まった。
だからないっつってんだろ!
な〜んて言いませんよ。言いたかったけど言ってませんっ。暑さと汗のベタつきで不快感マックスだったのに、なんとか理性で食い止めました。
「オー ソーソーリー。本当に残念ですが駐車場はないのですよ。だから言ったじゃないですか、駐車場はないって。駐車場のあるところを予約した方がいいですよって言ったじゃないですか。ねぇ」
不快を吹き飛ばすくらいの弾む声で笑いながら一気にそう吐き出すと、また2人でこちょこちょとイタリア語で会話をしていたが、その後はもう駐車場のことは口にしなくなった。
「それに本当にごめんなさいねぇ、私イタリア語が話せないんですぅ。ここら辺の人はみんなイタリア語が話せるのに私は話せないんですぅ。本当にごめんなさいねぇ」と建物のドアを開けながら何度か繰り返すと、「イッツ オッケー」と2人揃って苦笑いをした。
確かにイタリアに近い土地柄もあり、ニースにはイタリア語を話せる人が多い。だがみんながみんな公用語のようにイタリア語を話すわけではない。だってここはフランスだもの。
別に私がイタリア語を話せないからって謝る必要は全くない。その時は皮肉の一つでも言いたい気分だったのだ。それが皮肉だって伝わっているかどうかは分からないけど。
なぜか読めたイタリア語
後で気づいたのだがメッセージのやり取りの最後の方は、翻訳アプリを使わずに読んでそのまま返事を書いていた。まあ大した会話ではなかったのでそれがどうしたって感じもするが、もしかして私、努力したらイタリア語読めるんじゃね?なんつって自信が湧いてきた。
書くのは文法や単語を勉強しないと難しいけど、読むのはなんとかなりそうな気がしてるのは夢かまぼろし?
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