見出し画像

れもんくんの日常①

保護した子猫  命名『れもん』くん

野良猫だらけのわが町。
産まれたての子猫を保護した時の記録。
(まち猫珍道中は また先になると思いますが、こちらにも投稿します)


仕事からの帰り道、鳴き声が聞こえるから見に行くと「まち猫珍道中」みたらしくんモデルの野良猫が、向かいの家に止めてある自転車の影から出てきた と夫。

茶トラ白の野良猫(さくらモデルの子)が今季2度目の出産をしたのだろうと思っていた。
それが翌朝になり、ご近所の方も気付いた。子猫が一匹だけ落ちていて辛い  と…?
どういうことかと見てみると、昨晩は自転車カバーの中から声が聞こえていただけなのに丸っと姿を現しているではないか!しかも道路に!

どうやら面倒見の良い みたらしくんは、その子を気にして ちょこちょこと様子を見ていたようだ。
みたらしくんがいなくなり、子猫は母をたずね始めたらしい。
さくらの姿は近くにあったようなので迎えに来るのを隠れて見守ることにした。

「にゃお、にゃお」人が居なくなると、さくらは子猫を呼び始めた。
よしよし!と心の中で思いながら経過観察を続ける。


すると、やっと子猫を見つけたさくら。
良かった!見つけてもらえた!
これで一安心  と息をついたのだが…。

さくらは おそるおそる子猫に近づき匂いを嗅ぎ…



そのまま立ち去ってしまった。





まるで自分の子はまだ見つかっていないとでも言うように また「にゃお、にゃお」と子猫を呼びながら歩いていくさくら。
遠くから さくらの最初の子、よもぎがダッシュして来て大好きなママンの元へ…


お前じゃねぇぇぇえ


と心底思ったものの、二人仲良くお水を飲んでいた。
よもぎが来たことで、さくらは満たされた様子。



一方子猫は…

一生懸命鳴いて鳴いて、お母さんを探して這いながら道路まで出てきた子猫。
朝日も上りきり、カラスや近所の人々の活動も始まった。
このままでは食べられるか轢かれるかして死んでしまう。
端の方に避けてあげるにしても、触る事、それすなわち もう母猫には連れていってもらえない事を意味する。
(それ以前に、母猫に認識してもらえなかったのは みたらしくんがニオイをつけたせいでは…?と思わなくもない。)
私は仕方なく保護することに…した…。。。

家から古いタオルを持って来て、手のひらに収まるくらい小さい子猫を包む。
猫嫌いなご近所さんにその現場を見られてしまい、「そんなもん捨ててしまえ!」とか言われちゃいましたが。
馬鹿なことしてる、自分の家にも猫と赤ちゃんがいるのに背負い過ぎてる、と分かっていても、見てしまったから そのまま死なせられない。
はぁ…とため息を吐きつつ「私は捨てる勇気がない、そういう性分です」と言っておく。



まだへその緒もついている子猫なんて、初めて見た。
子猫は人の手で育てるのは難しい。助けられないかもしれない。
実際、昔、私が子供の頃に妹が拾って来た生後数日の子猫は、設備が整っていたわが家の子は育ったものの、友人宅の子は息を引き取ったらしい。

だから私は最初から看取るつもりで連れ帰った。
それが想像以上に元気な子だなんて知る由もなく。。。



【保護1日目】スタート体重 101g

キトン用粉ミルク


ちょうど予定が無かったので、すぐに病院に連れていった。

名前はまだ決めてない。何にしようかな。男の子らしい。


ミルクは表記通り作る。
3時間おきの授乳になるが欲しがればあげて良い、なんなら2時間おきでも良いとのこと。
やっと娘の夜中の授乳が無くなったというのに。

体重の増減を見て きちんと飲めているか観察する。
まず授乳前に体重を計り、授乳後また計る。
体重が増えた分だけミルクが飲めたと分かるのだ。

また、本来母猫にぴったりくっついているはずだが ここでは1匹だ。
なので体温の保温は欠かせない。
ペットボトルにお湯を入れた上にタオルをかけておき、そこを寝床とする。

まずは3g飲む事を目標にすることになった。
病院ではしっかりミルク量 純増3gだったのが帰ってからは2gに。
2g飲んだら ぺいっ と哺乳瓶を出される。
それ以降は口に入れても吸わない。
(そもそも哺乳瓶というものを よく分かっていないから、母猫のパイを探し続けていて中々飲んでくれない)

でも2gしか飲まないと体重は徐々に減っていってしまい鳴き声も小さくなっていく。
たった1gがこんなに影響するとは。
慣れない環境に疲れているのもあるだろうが、こりゃまずい。色々策を練る。


結果、哺乳瓶の乳首の穴を広げて1度の授乳後、
(切り込み十字だった所を中心に少し丸く穴を開ける)
少し時間を開けてから2度目の授乳をすることに。
穴は慎重に広げないと誤嚥の危険があるからと言われたが、それより飲めずに死ぬほうが先では!と丸穴にした。

すると純増4g位になり体重も増え始め、元気を取り戻す。
一安心だ。

この子のペースを掴めた感じ。


【保護2日目】体重目安110g|スタート体重 95g

夜中の授乳時間に 少し間をあけて2度目授乳のやり方はキツイので、日中起きてる間にしっかり飲ませる作戦。

計測→飲ませる→排泄→飲ませる→計測→飲ませる→寝る
10〜30分後 →再度飲ませる

という形で、それでも相変わらず純増は4g。
(それならここまで回数増やさなくても良いのでは…?と悪魔の声が囁く)
でも着々と体重は増えていき元気も取り戻してきた!
声は大きくなったし、何より良く動く!

そういえば保護した日、自分でもりもり腹ばいして道路に出てきたハッスルにゃんこだったなぁ、この子。と遠い目をする。


体重の増減云々はあるにせよ、基本的な飲み方は上手と先生のお墨付き。
普通、動物は弱い個体が見捨てられがちだが、この子の場合よく動けてよく飲めるなら見捨てられる要素はないと思われる。
なんで母猫は、この子を置いていってしまったのだろう?
この素朴な疑問に対して、ドクターの見解は

「多分、忘れられた」

なんとも運悪な子だ。


母猫は引っ越しの際この1匹を忘れてしまったのだろう。(ホームアローンか)
そこで置いていかれた1匹に要らぬ気を利かせた みたらしくんの臭いがついて
「なんや、鳴き声するから来てみたけど、うちの子とちゃいます」
ってなったんじゃないかな。可哀想。

でもその後、この子の兄弟は心無い人に山へ捨てられてしまい、結果的にこの子だけが生き残ることとなった。


その現場に居合わせた私だが、私1人では他の兄弟3匹も引き取って育てることが出来なかった。
1匹の授乳・排泄に早くて20〜30分かかるので、4匹だと2時間かかることになる。
そしたらもう次の授乳時間が来てしまう。
それでは寝る時間がなくなるどころか、自分の家庭の事も何も出来なくなるのは明白だった。
それに子猫の保護をした事は、あまり公立たない方が良い。
誰だって自分で手を下すのは避けたいから、保護してくれるとわかれば無責任に押し付けてくる人が現れるからだ。

どうにか母猫が見つけてくれますように。そう思うしか出来ない。
止めた。止めたが、何もすることが出来なかった。

気付けば看取るつもりで保護したこの子に、他の子の分まで生きて!と願ってしまっていた。
その重たい思いを名前に付けてしまいそうになったが、思い止まる。
この子はこの子なのだと。そして名前は れもんくん になった。
わが家にはレモンの木が植っていた。


【保護3日目】体重目安120g|スタート体重 106g

ご覧の通り…
かなり元気になった。

そうだ、元々ハッスルにゃんこだったではないか。
耳も少し起きてきた。
はぎれさんは猫白血病キャリアのため、隔離すべく、れもんくんにはキャリーの中で生活してもらっているが、もう乗り越えそう…

確か昔保護した子は、こんなに動いていなかったはずだ。もっと大きかったが。
保温のためにペットボトルを敷いており、底上げはされている事を加味してもハッスルしている。

そうなると体重計測も大変になった。とにかく良く動く…
私の手もだんだん傷だらけになる。子猫はお手てに爪の収納が出来ないのだ。
うん、元気だなコノヤロー。

哺乳瓶での授乳も慣れて、授乳の時間に声をかけると起きて飲む気まんまん!
咥えさせてあげると、ごくごく飲んで こてんと寝るように。
おかげで授乳するのも少し楽にはなった。
時間外にれもんくんが起きて「みゃー」と鳴くときは授乳する。
しかし、ミルクを用意してキャリーを開けると、授乳と見せかけて寝言みたいな時もある。思わず「おいっ!」とつっこんだ。

学習した私は、ずっと鳴いて活発に動いている時にだけ授乳することにした。


それだけ飲むようになれば出るものも出る。うんちももりっと!
体温もようやく れもんくんの自家熱で温かくなれるようになったので、保温の気遣いもだいぶ軽くなった。

しっかり飲ませることの大切さを痛感。。。


慣れてきてくれた れもんくんは私の手に甘えてきてくれたりするようになって感動…
分かるんか?おまえ…育て主の手が。
しかし、まだまだ純粋に「子猫、可愛い♡可愛い♡」って気持ちは生まれてこない。
どうしたら元気になれるか、自分の生活と体力との折り合い、とそんな事が脳内を占めるのであった。


いま元気でもまだ生後数日。
子猫の体調が安定しないのは、1日目で目の当たりにしている。安心出来る保証がないから緊張するのだ。




余談

いつも野良猫に強気な態度の はぎれさんは、生後1日の子猫にビビって2階から降りてこなくなった。
内弁慶なのだ。どうしようもなく。


さくらは何かを感じているのか、いつも私の顔を見るとすぐ逃げるのに、れもんくんを保護した日から私の事をジッと見てくるようになった。

全く関係のない、ヤンキー気質の野良猫「あんこ」は、たまたま れもんくんのお世話中に家に来て勝手口の網戸越しにジッと見てきたが、本気で関係ないよ、君。
君の子じゃないよ。断じて違う。
そして、なんでここにいる。自分の子はどこに置いて来たんだ。



そんな日々が過ぎていく。



▶︎成長目安覚え書き

◯へその緒は生後3日でとれる
 (かかりつけ医では〜1週間と言われる)
◯耳は生後5〜8日で立ち始める
◯目は10〜14日で開く
◯耳は生後2〜3週間で立ち上がる
◯歩行は生後2〜4週間で始まる
◯乳歯は生後2〜3週間で前歯が生え始める
◯乳歯は生後3〜4週間で犬歯が生え始める
◯歩行は生後4週間でしっかりする
◯歩行は生後5週間で走る
◯乳歯は生後4〜6週間で小臼歯が生え始める
(歯の本数 上下各前歯6本 上下各犬歯2本 上小臼歯3本 下小臼歯2本)
◯目の色は生後6〜7週間で変わり始める
◯歯は生後4〜6ヶ月で永久歯に生え変わる
◯歯は生後7ヶ月頃に大臼歯4本生える


記事をお気に入りいただけたら サポートしてくださると嬉しいです₍˄·͈༝·͈˄₎ฅ˒˒

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?