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「目は臆病、手は鬼」旅のしおり作りで感じたこと。

昨日、旅のしおりを製本した。

今週末に控えている #響花と豊かさを見つける旅
に向けて整えている準備のひとつ。

小さな冊子だけど、とっても思い入れがある。


今まで、建築のプレゼンテーションの場面で
たくさんレイアウトして印刷してきたけど、
A1のプレゼンボードや、A2の紙芝居的なボード、
A3のポートフォリオのファイル作り、
A3のコピー用紙での打ち合わせ資料などばかりで

製本はしたことがなく、初めての試みだった。

まず、どのサイズで作ろう。
トラベラーズノートのサイズ感がいいけど、
印刷対応しているんだろうか。

どのデータで作ったらいいんだろう。
イラレ?canvaでいける?
見込んでおかないといけない余白は?
納期は?
印刷にどのくらい時間がかかる?
紙質どうする?
構成は?
どのサービスにお願いする?
・・・謎だらけだ。


どうしよう?という考えがぐるぐるしているうちに
わくわく!の気持ちで始まったはずの旅のしおり作りが
みるみるうちに、すごく大きなタスクのような存在に
なってしまう感覚があった。



私は、なんのために作りたかったのか。
そして、どんなものなら、心が踊るのか。



まず、手にとったときに「わあー!」とわくわくするもの。
どんなテーマだったっけ、と旅への思いを共有できること。
大まかなスケジュールを把握できる実用性があること。
書き込みながら、育てていけるものであること。
お宿のスケッチも載せたいし。
旅が終わった後も見返して、
感じたことが手に取るように思い出せるようなものだといいな。


この思いを満たしていれば、大丈夫。
あとは私の感覚を信じて作ろう。
こう思えてからは、少しずつ黙々と作業を進められた。


毎日時間を見つけてはデータを開き、
文字を打ち込んだり、あれこれレイアウトしたり。

全然進まない日もあったけど、
ちょっとずつちょっとずつ、作った。

冒頭の文章はなかなかしっくりこなくて
書いては寝かせ、
これまでの自分のメモや投稿を読んだり
好きな本を読んだりして、更新していった。


そしてついに、できた!!


(というより、自分で決めていた締切の日がきた、と言った方が正しい。)

この日までに
できることは全部やり切ろうと決めていた。


印刷所にデータを持ち込んで、あれこれ相談。
実は最後までよく分かっていなかった冊子のページの順番も、店員さんに話したら一発で解決してくれた。


データを直したりあれこれしてたら1日はかかるかな、
と見込んでいた製本は
1時間もかからずにあっという間に完了した。


目は臆病、手は鬼。


学生時代に読んだ「気仙沼ニッティング物語」という本で出会った「目は臆病、手は鬼」という言葉を紹介したい。


宮城県気仙沼市で手編みものの会社を経営している。
編み手は地域の女性たちだ。

彼女たちは大変そうな仕事を前にするとよく「目は臆病、手は鬼」と言う。この地域の格言である。あまりの作業量に気おくれしそうなときも、ひとたび手を動かすと、手はもくもくと働き続け、いつの間にかやり遂げる。だからおじけづかずにまず手を動かそうという意味だ。山のようなカキの殻をむく、梅干しを漬けるため何十キロ分も梅のヘタを取るなど、暮らしの中にはさまざまな手仕事がある。そんな作業にかかるとき、笑顔で言うのだ。

「目は臆病、手は鬼。さあ、やっぺし」

気仙沼ニッティング代表・御手洗珠子さん


設計課題や卒業論文で、

何にも案が浮かばないときも、
とりあえず手を動かそうと
スケッチを描いたりスタディ模型をこねくり回したり
現地調査に向かったりしていたことを思い出した。


「手が動くわね〜!!」というのも
研究室の教授の褒め言葉だった。


旅のしおり作りも、
頭の中で考えているうちは、
どんどん難しく大きな課題のような感覚を抱いてしまうけれど
ほんの小さなことでも手を動かし続ければ
あんなに「どうしよう?」と思っていたことでさえ
終わりを迎えられた。


学生時代から心に留めている言葉の一つ。
今回も、やっぱり私を励ましてくれた。

追記


旅のしおりが製本できた瞬間、
脳内メモリが大量に解放された感覚を味わった。笑

わたし、手を動かしながらも、
ちゃんとできるかなって心配だったんだね。

いいものができてよかった。
これまでのワークも、参加してくれるみんなと
お話したことも、詰め込んだ大事なしおり。
喜んでくれるといいな♡

旅まであと4日。
とにかく健康に、元気に、怪我なく。

私も家族も、参加してくれるみんなも、その家族も、
みんなみんな、いつも通りの朝を迎えられますように。

わくわく。

2023/07/04 響花

等身大な気持ちと日常を発信中。ママ一級建築士。



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