都会だけではなく、田舎は田舎のまま新しい発展を目指してほしい
私は都会が好きだ
私は都会での生活が好きだ。
電車の駅は沢山あって、乗り遅れても3分後には次の電車が来て、路線も複数あって、代々木から新宿までのような駅から駅までの距離は短く歩いて行くことが出来る駅もある。
これはめちゃくちゃ便利。だって沢山電車が来れば集合場所に遅刻もしにくいし、駅から駅が歩ける距離なら、様々な駅を目的別に使い分けることも出来る。
しかも、駅から駅の歩ける短い距離の間にお店は数えきれないくらいあって、何十人、いや、何百人の人が行き交っていたりする。必要な物を買える場所は山ほどあって、知り合いなんて見つけるのが大変なくらい人は多い。
知らない人だらけで、人目を気にすることもない。
そして、家に帰ってからは冷蔵庫におかずはひとつもなくて、部屋から窓を覗けば雨が降っていても、食料調達の為に外に出るのが億劫でも、夕飯を楽しむことが出来る。
ウーバーイーツのような宅配サービスで気軽に頼め、好きなごはんはすぐ届くからだ。
24時間営業の薬局だって家から徒歩数分で辿り着く。コンビニなんて、ちょっと歩けば4件くらい通り過ぎていることもある。
元々田舎育ちの私が都会で暮らし始めたときは、そんな便利生活に衝撃だったし、楽しすぎたしワクワクした。
田舎では大変だった買い物も、数駅を超える行動も、好きなご飯を手に入れることも……都会では簡単すぎて感動したのだ。
でも田舎も好きだ
でもだからって田舎が嫌いにはなっていない。むしろ好きだ。
都会は確かに便利で楽しくて田舎にはない何かがたくさんあるけれど、田舎が嫌かといったらそうではない。
まあ、電車は1時間に1本ほどだから、休日に駅を越えて友達と会うのに乗り遅れることは許されないし、ウーバーイーツなんて無いからマックなんて待ってても飛んでこないし、思い立った時にすぐに買いに行くことが出来る距離にお店なんてないから困ることはあるけれど。
田舎には田舎にしかない良さがあるのを知っている。
近所の人と野菜を分け合いながら「今日何したんか?」なんて他愛のない話が出来るし、ひとりで住んでいたとしても隣の家の人が気にかけてくれて、困った時はごはんを作って届けてくれたりする。知り合いに会う確率は同じ地域内で高いから、会った先で情報交換し合えて助かるときもある。川のせせらぎが心地よく大自然に触れて心が癒されるし、夏前は蛍が見られる。
とても静かでがやがやとした騒音もない。
時間の流れものんびりとしていて、過ごしやすい。
水も綺麗で浄水器なんていらない。
ちなみに、私が都会に住み始めた時びっくりしたのが、引っ越した時、マンションの隣の部屋の人に挨拶が不要だということ。それは付き合いが無いという面では楽でもあるが、不安になる面もある。都会で知らない人ばかりが行き交う生活なのも、嫌な知り合いに会わなくて済むし楽ではあるけれど、寂しい面もある。
私は田舎も都会も経験したから、どっちの良さも悪さも知っている。
それが好きか嫌いかは人にもよるし、考え方は自由だ。
どっちに住むかも自由だ。
それぞれが考えて、好きな地域で生活していって欲しいなと思う。
良さを残して便利に
しかし、私は都会にも田舎にも住んだことで思ったことがあった。
それはこれからの未来に、都会も田舎も良い部分を残しながら生活しやすい環境が存在してほしいということ。
都会は今、どんどん発展し、人口も増えてお店も増えて最先端も増えて……ますます楽しく便利になってはいるけれど、田舎にも少しづつでいいから都会とは違う便利な何かを取り入れて欲しいのだ。
豊かな自然も、のんびりとした生活も残しながら、発展させてほしいと思う。例えば、田舎で外出が簡単に出来ないお年寄りでも、難しい操作は無く、楽に使える便利な配達サービスとか。ドローンで指定したものを空から運んでくれるサービスとかがあればめちゃくちゃ田舎では重宝すると思う。環境を悪くしないような使いやすいドローンを開発するのは大変かもしれないけれど、それができたらすごい。
医療とかも、遠くまで行かなくても治療できるハイテクなシステムがあればいいなあ……なんて考える。
そんなに簡単に開発できるものでも、導入できるものでもないのも知ってはいるが、「あったらいいな!」と想像することは多々ある。
都会だったら、便利な生活が常にあるから、買い物をしに行くことや薬を貰いに病院へ行くことにそこまでしんどい思いをお年寄りがしなくて済む。
もちろん歩かなきゃいけない事や行動をする面ではしんどいのは一緒かもしれないが、田舎と都会ではしんどいの規模が違う。
実際に、田舎に住む90近い私のおじいちゃんが病院へ通うのに車が必要で、1時間運転してなんとか病院へたどり着いていた。「本当は免許自主返納したいんだけどね」と嘆いていたのを見て、不便なのはしんどいことだなと感じた。もちろん、近所の人に頼んだりして助け合いながら生きてはいけるけれど、皆、歳を取っていて車を運転してくれる人はもう少ない。
だからこそ、これまでの〝田舎の自然や人の温かさ〟を残しながら〝便利な生活〟が出来るように、田舎を発展させてほしいと願っている。
もし、田舎が便利になったら住む人も増えてくれると思うし、都会ほど人が溢れてしまったらそれはそれでしんどいけれど、今よりも人口減少が回避できるならより良い未来があるかもしれない。
田舎の不便な生活で、老後に困る人は今は多いのではないだろうか。そして、田舎は不便だからという理由で、自然などに魅力を感じながらも住みたくないと思っている人もいるかもしれない。だって、ローンを組んで家を買う時に、体力の衰えた老後も暮らしやすいか考えて購入する地域を考え選ぶ人は多いと思うから。
誰だってできるだけ長生きして、できるだけ楽しく便利な生活がしたいものだろう。不便より便利に越したことはない。もちろん、苦労して頑張って何かをするのも大事だけれど……。私は便利を増やしてほしい!(笑)
どうか、これからの未来に都会も田舎も老後まで安心して住める便利なまちや村がありますように。
そして、「田舎育ちだから」と悪いイメージを抱えるのではなく、〝田舎という素晴らしい出身〟という素敵なイメージを連想させる未来でもあってほしい。
私は田舎を悪くは感じていないが、実際今の社会で、「田舎だから」と否定的に発言している人も少なくはない。また、田舎育ちをバカにしている人がいないわけではない。
「田舎って、都会とは違うハイテクがあるよね!いいじゃん!」
そんなスタンスな未来が欲しかったりする。
私は〝都会〟と〝田舎〟を両方住みやすい場所にすることで、どちらもそれぞれ違った素晴らしい世界だと言える社会であってほしい。
都会は都会なりの、通勤して企業で働くことなどの素敵な仕事と交通網が多く人が多い便利さがあって、田舎は田舎なりのリモートワークに適した仕事のしやすい環境と人が温かく自然豊かで最新鋭の配達などのいや、都会にはないような便利があるような……感じで……温かい未来があったら……いいな。
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