おひつじ座24度 サビアン

開いている窓と、コルヌコピア(豊穣の角)にみえるレースのカーテン

いつのまにか女性が旅人の隣に来ていました。

近くにいても透き通っていて表情はよく見えません。

でも、旅人は不思議と気持ちが寛いで、女性の見つめる視線の先と同じ方向を見ていました。

ふわっと風を感じた刹那、そこには大きな開いた窓がありました。

遊ぶような風に、窓にかかるレースのカーテンが吹き上げられて、くるっと巻きつけられました。

巻きつけられたままのカーテンは風に運ばれてそのまま、旅人の方に迫ってきました。

旅人はそれを豊穣の角のように錯視しました。ローマ神話の豊穣の女神アブンダンティアが持っているもののように、角の中から花や果物などの食べ物やお金やさまざまなものが出てくる様を見ましたが、それはまた風のいたずらに解かれて消えました。

旅人は豊穣の角の幻影から、世の中にはいろんな恵みの形があるけれど自分が欲しいものは自分で掴みに行かなければ手に入らない、そんなメッセージを感じた気がしました。