地下水脈
たどっていく
手繰り寄せるように
混ざり合う記憶の中に
手を伸ばし、掬い出そうと追いかける
暗く、寒い
胸に到達しそうなくらいに冷気が鋭い
それは氷漬けで止まっているようでいて、内部では鼓動を続ける
悲しみ、苦しみ、憎しみ、恐れ
忘れる
忘れない
忘れたほうが、忘れたままのほうが、いい?
すすり泣きのようでいて、耳元で囁きかける声
記憶、そのもっと向こう?
いつか見た夢?
これから起こること?
分からない
押し寄せる眠気とともに意識は少しずつ薄れていく
遠くで水が一滴、跳ねる音がした