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みあんご!鎌倉と宮古島の占い師
2018年1月23日 13:40
「煙草、吸ってもいいですよ」猫背に声をかける。坂井は初めて気がついたように灰皿に視線を落とす。白シャツの胸ポケットから、押し潰れた緑色のマルボロの箱がのぞいている。「あ、いや、ありがとう」器用に一本だけ飛び出させて咥え、100円ライターで火をつけた。「吸わないんですか? ええっと」「田崎です」「タザキさん」思い出せなかったことに動揺するでもなく言う。「人の名前、覚えるの苦手で」「
2018年1月14日 13:43
店の外で坂井は煙草を吸っていた。「あれ、本当に来たんですね」としれっと言う。ちょっと傷ついた。「それじゃ、行きますか」律儀に携帯灰皿でもみ消す。坂井の長い指の中で、携帯灰皿はコンパクトケースみたいに見えた。飄々と二軒先の焼き鳥屋の暖簾をくぐる。「こんな近所で呑んでちゃ、みんなに気づかれるんじゃないですか?」「いや、誰も出てこないでしょう」カウンター席に腰掛け、坂井はハイボールを注文し
2018年1月11日 12:29
「いや、たまたま。人が足らなくて」「えー、でもすごかったですよう!」松田の甲高い声がうるさい。坂井はまんざらでもないように、薄く微笑んでいる。「坂井さんて、授業が無いとき、いつも文キャン(文学部キャンパス)のスロープのとこに座ってますよね?」財津が言った。「みんなが説法聞くみたいに取り囲んでるから、気になってたんです。ただ者じゃないなと思ってたけど、役者だったんですね。あれ、何の話をして