見出し画像

公園の再開発について

自宅から歩いて15分ほどの場所に、競技場や球技場などが集まる大きな運動公園がある。私はそこに、週一行く程度だが出掛けている。

今住んでいる町に二年前に引っ越してきてから一人で散策をして見つけたその公園は、ぐるっと外周すれば2キロにもなって、一帯が木々に囲まれ、しかもイベントごとがなければ人もまばらにしかいない、穴場の散歩スポットである。

最初見つけたときは、そんなに広いのに貸切すぎて寂しくもなったけれど、それでも無心で散歩できる空間を有り難く歩いた。
中年になり、引っ越し先の新しい街に対して抱くのはワクワクするような楽しみだけでは居られなくなった。若い頃の一人暮らしのときよりも不安が多いように思える。結婚した夫の地元や実家のそばで、何となくプレッシャーだったということもあると思う。一歩間違えると、外を歩くことさえ億劫になりかねない危うさがあった。なのでそんな公園がすぐそばにあって、出会えたことは今思うと幸運だったと思う。

昨年、その公園の再開発の話が進んでいた。その再開発計画では木々のある散策エリアに新しい球技場を作るとのことだったのだが、結局、進めていたサッカークラブとは話が頓挫したらしく、その後新たな事業者を募集しているとのことだった。自分的にはもちろん散歩の場が奪われるので良かったなとは思ったけれど、市の公園なのでその運営については当然心配も残る。

今の現状維持でさえもしかしたら課題があるのかもわからない。人がいない割にマメに植栽の管理をされているので、なんだか贅沢な公園だなぁとも思う。もしかしたら新しい球技場にした方が人も増えて収益にもなるのかもしれない。

けれど、公園って無くなったらどうなるんだろうか、と同時に考える。散歩やランニング、お花見などが人にもたらすものが無くなったとしたら。私は間違いなく体重が増えていたし、一つ居場所がなくなって元気でいられなかったかもしれない。公園からの良い効果を数値化したものが収益なのだとしたら、私は相当にいい値を叩き出せると思う。その代わりとしてこれからも継続的に利用したり、売店で買い物したりするし、一応再開発反対の署名をしたりしたので、できればそのままの公園でいてほしい。そんな少数派の声は果たして届くのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?