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アダルトチルドレン(AC)の心理カウンセリングについて②



アダルトチルドレンの定義について

まず始めに念を押してお伝えしたいのは、アダルトチルドレン(AC)とは、言動が子どもっぽい・幼稚な人を指す用語ではありません。

幼少期に親から”無条件”で愛してもらえたという感覚がないまま大人になったため、生きづらさを抱えている人を意味します。

特にこの”無条件”というのがキーポイントのようです。
子どもはみんな根っこではお父さんもお母さんも大好きです。
だからありのままを受け入れて欲しいし愛されたいと思っています。

でも多くの場合は、”条件付き”の愛を受け取ることが多いです。
例えば「テストで〇〇点以上取れたから親に褒められた」「〇〇が出来たから欲しいものを買ってもらえた」「長女・長男で下の兄弟の面倒見たら良いお姉ちゃん・お兄ちゃんと呼ばれた」などが条件付きの愛情の一例です。
そうすると子どもは親や世間からの期待に応えるために頑張る、そうしないと自分は愛される資格がないと無意識の中で思い込んで育っていきます。

親が過干渉過ぎたり、ネグレクトだったりする場合も原因になりやすいです。
うちの親はネグレクト傾向が強かったです。
感情的・心理的な繋がりを持てたと思ったことがありません。
それは親子間だけでなく、父母の関係を見ても同じでした。

私が育った家庭環境

団塊の世代の父は、貧困家庭で7人兄弟の末っ子として育ち、幼い頃から勉強が得意だったものの、金銭的な問題から大学には進学出来ず高校を卒業してからずっと働いてきました。高卒だったものの一般的に名の知れた企業に就職でき、家族4人を食わせていける収入を得れるようになったことが誇りのようでした。
毎日残業で夜9時〜10前に帰ってくるのが当たり前の生活で、家庭と子どものことは母親がするものという意識でした。(そういった発言をされたことがある)

母は結婚前からとある政治団体の支援活動をしていました。
学生時代はジャーナリストになりたかったそうで、世界平和や平等といったものに強い関心がありました。
結婚後はその団体の婦人会で週5日フルタイムで働いていました。(65歳の現在もほぼボランティアのような形で続けている)
小学校時代から友達の家に行くと「あなたの家はどんな新聞を取ってるの?」と聞かれ母が読んでいた新聞名を答えても、「聞いたことないなー」と言われるのが普通でした。
それを家に帰って両親に伝えると「適当に日経新聞って答えとけばいいんだよ」と言われました。
いつからか子どもながら「お母さんがしていることは公に言わない方がいいことなんだ」と思うようになっていきました。
父はこの団体や母の思考にとても否定的で、2人は家の中で衝突しないように避けていると感じることが多かったです。

私には3歳上の姉がいますが、姉は小学校高学年から中学時代はよくある田舎のヤンキーでした。学校にはほぼ行かず、日常的にタバコを吸う、深夜に遊びに出かける、万引きで補導されたことは覚えている中で何度かありました。
のちに姉は高校を中退、私は短大を中退しているのですが、私たちが中退した時にや不登校になった時にも、親は何に悩んでいるのか一度も向こうから聞いてもらえた記憶がありません。そんなことから私は子どもに関心がなく、現実に起こっている問題から目を背けている人たちなんだと強い怒りを覚えました。
そして幼少期から私が結婚して家を出るまでは、姉は私にとても意地悪で我儘でした。
「ブス」と呼ばれたり、出来ないことに関して執拗に非難されたり、日記を勝手に読まれてバカにされたことは今でも苦い思い出です。
今は私が結婚して家から出たことで良い距離感が生まれ、割と良好な関係を保っています。

またこういった親は、自分たちの親(私たちの祖父母)からも同じように感情的な繋がりを築けず育てられてきたことが多いです。

私が受けたカウンセラーさんには日本人の80%はACであると言われていると教えられましたが、それはそうだろうなと思います。

ACのカウンセリングでどんなことをするか

私が受講したAC回復講座は全10回完結型で、一回のセッションが50分でした。

最初の数回はACの概念や生い立ちを振り返る、共依存の関係、後半でインナーチャイルドを知ってインナーチャイルドを癒す対話プロセスを学ぶ、といったものでした。性格診断などもやりました。

カウンセリングの過程として傷ついた時のエピソードを話す必要があります。
これは大事な過程ですが、蓋をしてきた気持ちや記憶を掘り返すことになるので、セッション中に泣くこともありました。
辛くて孤独な作業でしたが、カウンセラーさんはプロなので私が前に進めるように導いてくれました。

傷ついた心・インナーチャイルドは自分で癒す

私がカウンセリングを通して一番の学びになったのは、アダルトチルドレン
の傷ついた心、インナーチャイルド(=内なる子どもを意味する)は自分で癒せるということです。

ふわふわのぬいぐるみなどを用意して、それを幼少期の傷ついた自分に見立て、ぬいぐるみに話しかけるのです。(口に出さなくても大丈夫)
辛かった時の記憶を思い返して「あの時は辛かったね。傷ついているあなたに向き合ってあげられなくてずっと放ったらかしにしててごめんね」などトラウマを抱えた心の中にいる小さい自分に寄り添ってあげるのです。
これなら家で一人でも出来ます。
YouTubeで「インナーチャイルド 癒す」などで検索するとやり方を紹介する動画が上がっているので、それに沿って進めると難しくありません。

これだけで癒せるの?と最初は思いますが、これを何度か繰り返していると夢の内容にも変化が起きてきます。

私は中学校から不登校だったので楽しかった小学校時代に返りたい思いが無意識の中にあったようで、13歳頃から心理カウンセリングを受けるまでずっと、小学校の友人や小学校まで住んでた家(中学校入学数週間前に父の転勤で他県に引っ越した)楽しくしてる自分の夢ばかり見ていました。

カウンセリングを受けている間は夢日記をつけていました。
これは特にカウンセラーさんに言われたわけではなく、自分の心の状態を知りたくてやってました。心理学では夢は無意識の状態が現れていると言われていますよね。

インナーチャイルドに話しかけるようにな
って数週間してから、記憶に強く残る夢を見ました。
それは、小学校時代まで住んでた家に自分が尋ねる夢でした。
家の中には男の子と女の子の兄弟がいました。
すると、私は男の子と女の子に話しかけ、なぜか内側から鍵を差し外に出ていきました。
カウンセラーさんに話すと「あなたはどう感じたの?」と聞かれ、私は「今までは辛くて内にこもっていた小さな自分が外の世界に出ていけたように感じた」と答えました。
その時はとても晴れ晴れとしたような気持ちでした。
そしてカウンセラーさんから「夢に出てくる人間は全員自分を反映しているんだよ」とも教わりました。

心の中にアダルトチルドレンを抱えている人は、「私をこういう風にさせた原因である親と対峙をしなければいけない、親に謝ってもらいたい」と思っていることが多いです。私もそうでした。
ですが、親も完璧な人間ではないので、責められたと思うと防衛反応から怒るかもしれませんし、仮に今親が謝ってくれても、その時傷ついた自分の心が晴れるかというとそうでもなく、やっぱり自分でインナーチャイルドと対話する・癒すというプロセスを踏むことが何より重要であるようです。

次回に続く

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