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【思い出マンガ】シュート! の話

スーパーファミコンの「蒼き伝説シュート!」のソフトを買ったので、近いうちに遊んで動画化しようと思っているけれど、その前にマンガの振り返りをしようと。まあこのnoteも始めたばかりだから、昔語りが多くなるのも多少はね。


シュート!(無印)

Jリーグもまだない頃に連載が始まった、マガジンの名作サッカー漫画。主人公はストライカーの田仲俊彦、トリオを組むのはウイングの平松和広、キーバーの白石健二。ヒロインはヤンキーの遠藤一美。新設2年目の掛川高校に入り、あこがれの先輩である久保嘉晴とともに選手権予選を戦っていく……みたいなのが序盤のストーリー。8巻で久保嘉晴が伝説的なプレーのあとなくなってしまい、残された面々は久保の相棒だった神谷を中心に切磋琢磨して選手権を勝ち上がって行く。その後ユースの日本代表編が始まってちょっと活躍して次の話に引いて終わり、という流れ。
これは名作で、僕はマガジンのマンガで一番好きかもしれない。それかJドリームも好きだ。
高校のサッカー部で青春物である。高校生ってすごいなあ、と漠然と思っていた。新歓を堂々と居酒屋で行っていた。今ならダメだろう。部活ってやっぱり人間関係が濃密になりやすい。実際僕もそうだった。サッカー部ではなかったが。その分、意識に差があると湘北高校のバスケ部みたいになる。
あまり荒唐無稽な技がなかった。サブマリンシュートやテイクオフシュート(これは後の作品で出てくる)などはあるが、他はなんとなくそれっぽい。スカイラブハリケーンとか出てこない。特にフラッシュパスが良い。「ありそう」「できそう」感があるのだ。Jリーグエキサイトステージというゲームで似たようなことをやって遊んでいた。
そんな濃密な人間関係の中、いきなり要の久保さんが死んでしまう。それを引きずっていたが、外部から入ってきた馬堀によって少しずつサッカーが楽しくなっていき、復活する。そんで、選手権では並み居るライバルを倒し、優勝するのだ。個性的で今でもよく思い出せるライバルたち。クライフターンの松下。北海の氷壁氷室。マジックシザース。ドイツ人のヴィリーとDFの東。そんで決勝の草薙と恩田。
その後ユース代表が結成される。ここまでのライバルが一つにチームになるのだ。内海や斉木が出てくるのは実績がなさすぎると思ったが。この流れはキャプテン翼の無印と同じ流れ。
やっぱ見どころはヒューマンドラマだろう。久保さんの話。それから遠藤がアイドルになって離れていくけど、みたいな話。あと健二がケンカに巻き込まれて出場できなくなる話。久保さんの彼女の話。サッカーの名作キャプ翼にはない人間臭さと泥臭さがそこにはあった。

シュート! ~蒼きめぐり逢い~

田仲たち掛西中トリオの話。要するに先述の無印版の前日譚。健二の設定がセリフと矛盾しているところはあるが。
彼らが中学生時代に出会って、珍しい女性指導者のもと飛躍を遂げていく主人公たち、というわかりやすいストーリー。水木や大原といった後のキーパーソンも出てくる。あ、奥山もね。やっぱ大原の靴を健二にあげちゃったのは悪手だったと思うわけ。

シュート! 熱き挑戦

ユースの後の話。田仲は自分だけのドリブルを見つけにスペインに行く。そこでファントムドリブルを身につけ、日本に帰ってくる。その頃神谷主将を怪我で欠く掛川は予選で苦戦しており……。
弱点を克服して強キャラになった清水の芹沢とかが出てくる。うさんくさい先述を使う奥山も出てくる。平松のとーちゃんが監督になって、加納弟なども出てきて決勝戦では藤田東と戦ったところで終わる。
この時代のシュート!が、画力という点ではピークにあったんじゃないかなと思う。画面の密度が高く、それまでと比べて躍動感もある。この次のシリーズでは絵が一気に良くなくなるのだ。それは悲しい。
いやでも、藤田東戦で神谷が久保への挑戦だ~とかやってるところはなかなか熱くなりましたけどね。

シュート! 新たなる伝説

話は変わって、久里浜高校というところをメインに話が始まる。左利きのスペシャリスト伊東を主軸に、キングダムサッカーという、掛川とは性質の異なるサッカーと標榜して、選手権に挑むチームが序盤では描かれる。監督は、掛西中のときに出てきた大原監督。干されていた才能が次々に開花し、強くなっていく久里浜。一方、掛川も強豪相手にトーナメントを勝ち上がり、決勝で久里浜対掛川になるのだった。
このシリーズは、正直なところ弱いよね。話が。掛川に対抗する側の高校を出してきたのは、良かったんだけど。最終的に、掛川に負けちゃうんだよね。なんのための久里浜だったのか。俺は若林源三の噛ませ犬じゃないんだ! いやそうじゃなくて。
なんかねえ、ラストに久保さんからの手紙とか出てくるし、そりゃないだろうって話の連続なんだよね。いや佐野圭太とかは良いと思いますが。
サッカーに限らず、スポーツ漫画って、試合が第一なんだけど、それだけじゃないよな~と思いました。試合に何が乗ってくるか、そこがシュート!の良さなんだけど、このシリーズではそれは弱かった。

おわり

シュート!の世界に実際の人物が、みたいなスピンオフもあるんですが、それは読んでいないので割愛します。
まとめると、シュート!は素晴らしいサッカー漫画だった。2番目のシリーズからは、まあ普通のサッカー漫画だった。そういう感想。無印の独自性は素晴らしかったのにね。
でも、好きな作品なので、ゲームを買ったわけで。これから遊んでみようと思います。アニメにもなっている。あと実写化もされている。若い頃のSMAPが出て話題になっていたはずだ。要するに人気作品だったのだ。それは間違いない。

僕はキャラでは平松が好きだ。という話を友人にしたら、「お前は天才系キャラが好きだよな」と言われたことがあった。まあ確かにそれはそうかもしれない。三杉淳も好きだ。でも、みんな天才肌のキャラが好きなんじゃないかと思う。天よりアカギのほうが好きだろう。沈黙の艦隊だったら深町より海江田のほうが人気があった。

「蒼き伝説シュート!」って、何が蒼いのだろう。ユニフォームは別に青くないのだが。単行本の色から来ているのだろうか。

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