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栄えたい自治体

2023年10月1日
村民代表南川さんの単独ライブ「栄えたい自治体」をアーカイブで拝見した。

私はあまりピンネタを見ていない人生だったのでもちろんピン芸人の方の単独ライブは初めてで、アーカイブの動画の時間が1時間45分を超えているのを知った時は正直「どうしよう」が強かった。
そんな私が仕事を定時で切り上げ、家で見て会社で見て電車で声上げて笑ってしまうくらいにはハマった。
配信を買ってから2日しか経っていないのに2回は見た。

…面白すぎた。

ずっと、村民さんの優しくて太陽みたいな人柄から、どうしたらこんなに狂気みたいなネタが生まれるのかと不思議だった。
幕間VTRを見て少しだけ合点がいった気がする。

村民さんのネタに出てくる人たちは露骨に「キモい」とか「ヤバい」わけではない。
どちらかといえば、普通にしていれば社会で溶け込めるような真面目な人たちなんだけど、そんな社会に擬態して生きてる人の不器用な必死さが爆発してるから狂気で面白い。

私は先輩作家に「お前がしょげてる所なんか面白くない」「全力でやり切って"こんなにやったのにうまくいかない!"って怒ってるのが面白いんだ」と言われた。
人が100%でもがいて失敗して120%でブチギレてる姿は面白い。
村民さんのネタはそのエッセンスが詰まっているから目が離せないし、登場人物全員の人間らしい不器用な狂気に笑えてしまう。

あと、シンプルに言葉のチョイスが絶妙で、人の感情も込みで煽り方が上手い。
今回、ネタの中で村民さんの十八番?のネタをイジるというくだりが何回か出てくる。
そのくだりの中で、「私の知らないお笑いだなと思いました」などと登場人物が村民さんのネタを批評する。
「マジでどういうつもりで書いたんだろう?」とは思ったが、ネタの否定の仕方が感度の高いお笑いファンのツボを押さえているようで会場の笑い声もすごまじかったし、勿論私も爆笑した。
登場人物が一切村民さんのネタに理解がないのが個人的にはかなり良かった。

幕間VTRがフリになりネタの面白さを引き立てているところもかなり妙だと思った。

幕間だけでYouTubeになりそうな面白さだったが、ライブだからこそかなりパーソナルに踏み込んだ内容を撮れたのかなとも思う。

一つだけ、この場をお借りしてネタバレのない程度に書かせていただきたい。

村民さんは、学生お笑い→社会人→芸人というルートを辿って今に至っている。
今回の幕間ではこの社会人→芸人の間の社会人の時の苦労や闇を垣間見たのだが、実は映像を見ながらかなりドキドキしてしまった。

というのも、私も制作会社にいた時に村民さんと同じような状況になって、私の場合は半壊した。
だから、村民さんが壊れる前にお笑いの道に進んでくれてよかったし、こうして舞台の上でキラキラしてる村民さんが見られている今があってよかったと思った。
もし自分で精神的にヤバいことに気付けず、環境を変えることが遅かったら…今のような村民さんはいないだろう。

私と村民さんが関わるようになったのはつい最近の仕事だ。歴的に言うとかなり浅い。それでもその優しいお人柄は十二分に伝わる。

村民さんの単独を見ていて「あんまりいい人って思われたくないのかな?」とは思ったが、少しだけ…。
私が編集や撮影に関して自信を無くしてしまって、これから仕事を引き受けることも少し怖いと思っていた時、完成した動画を見て誰よりも誉めて下さったのは村民さんだった。
村民さんがいなかったら私は仕事の動画編集をやめていたかもしれない。
村民さんのおかげで10月もお笑いの仕事ができます。ありがとうございます!

人が嫌がることを率先して行う優しさを持ち
繊細だけど独走的で情熱的な努力家。
どうか、これからもやりたいことをやり続ける村民さんでいて欲しいし、その上で沢山笑わせて欲しいなと思います。

素敵な単独ライブを拝見できて嬉しいです。
単独ライブお疲れ様でした!

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